2019 Fiscal Year Research-status Report
インターアクション能力育成のための会話データ分析の手法を学ぶ教材開発とその検証
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19K00702
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中井 陽子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (60398930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 美和子 昭和女子大学, 文学研究科, 准教授 (50454872)
寅丸 真澄 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授(任期付) (60759314)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 会話データ分析 / インターアクション能力 / 日本語教育 / 日本語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
会話データ分析の手法を学び、自身のインターアクション能力を自律的に向上させるための教材開発を2016年度からの科研費に引き続き行った。まず、会話データの収集・文字化作業を行った(初対面会話2者母語場面、2者・3者日中接触場面)。会話撮影後、各会話参加者と会話撮影ビデオを見ながら、会話の際、何を考えていたかを問うフォローアップインタビューを個別に行い、会話参加者の意識を明らかにした。また、これまで収集した会話データ(初対面・友人2者・3者日韓接触場面)の編集を行った。これらの会話データは、日本人学生や留学生が大学生活の中で参加する会話を想定した。 次に、3種の会話データ分析を行った。1つ目は、2016年度に収集した初対面母語場面2者会話の話題区分調査を2017年度の学部生対象の授業で実施した結果について分析し、論文として公開した。2つ目は、2017年度に収集したインタビュー会話の印象評価調査を行った結果について分析、論文として公表した。3つ目は、2018年度に収集した日中社員のロールプレイの分析を行い、学会発表、および、論文投稿を行った。これらの研究成果は、会話データ分析の教材の分析例として紹介する予定である。 また、2019年度に中国赴日本国留学生予備教育(於・長春)において、会話データを使用しながら日本語の会話および人間関係構築に関する知識を導入する授業実践を行い、これについての実践研究を発表した。 さらに、インターアクション能力の育成に関する講演・ワークショップを長春、西安、ドイツレーゲンブルグで行った。また、ストーリーテリングの構造と分析についての公開講座を昭和女子大学にて行い、学部生、一般市民に会話データ分析の知見を紹介し、分析の体験をしてもらい、参加者が自身の会話についての振り返りを促す機会を持った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画当初の予定通り、会話データを収集し、文字化し、分析を行い、発表論文にまとめる作業を進めている。ただし、まだ収集できていない会話データもあるため、2020年度にさらに収集する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
会話データの収集を続けて行う。主に、ナラティブの会話、教室談話、活動中の会話などである。これらの会話データを文字化し、分析を行い、口頭発表や論文作成を行い、分析例として教材にまとめる。さらに、学部生・大学院生対象の授業で、収集した会話データ分析を用いて、授業用の教材を作成し、会話データ分析を行う授業を実施する。その成果を分析する実践研究を行い、授業の効果を検証するとともに、教材の改善を行う。
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Causes of Carryover |
研究代表者が海外派遣で業務を行っていたため、予定通りのデータ収集が行えなかった。また、海外などの学会発表の応募をしたものの採択されず、旅費が使用できなかった。次年度は、研究計画の見直しを行い、計画的に予算執行を行えるようにする。
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