2021 Fiscal Year Research-status Report
インターアクション能力育成のための会話データ分析の手法を学ぶ教材開発とその検証
Project/Area Number |
19K00702
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中井 陽子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (60398930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 美和子 昭和女子大学, 文学研究科, 准教授 (50454872)
寅丸 真澄 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授 (60759314)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 会話データ分析 / 日本語教育 / 研究と実践の連携 / 日本語教員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、会話データ分析の手法を学び、自身のインターアクション能力を自律的に向上させるための教材開発、および、そのための会話データ分析、会話授業の実践研究を行った。 まず、中国人日本語学習者を対象としたオンライン授業での「話し合い」の仕方の変遷プロセスを探る会話データ分析を行い、論文にまとめた。次に、日韓接触場面における二者と三者の初対面会話における話題開始と情報交換に関する分析を行い、論文にまとめた。さらに、日中初対面接触場面の二者会話と三者会話の話題開始の発話に関する分析を行い、論文にまとめた。また、中・上級日本語学習者のインターンシップ面接場面におけるコミュニケーション・ストラテジー使用に関する分析を行い、論文にまとめた。その他、日中接触場面のナラティブの分析をもとに論文投稿を行うとともに、日本語母語場面のナラティブの分析をもとに口頭発表を行った。これらを含む、本科研の研究成果は、会話データ分析の教材の分析例として取り入れた。 次に、これらの会話データ分析を活かした教材を学部・日本語授業で試用するとともに、それらの授業で得られたデータをもとに実践研究を行い、ポスター発表を1件、論文投稿を2件行った。 さらに、こうした会話データ分析の教材開発と授業実践について検討するために、社会言語科学会の研究大会において2時間半のワークショップを開催し、本科研の成果を報告するとともに、教育・研究関係者らと会話データ分析の「研究と実践の連携」および教材開発について議論した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画当初の予定通り、会話データを収集し、文字化し、分析を行い、発表論文にまとめる作業を進めている。ただし、新型コロナ(COVIT19)の影響により、海外などでの学会発表が延期・中止され、予定通りの研究発表が行えず、さらに、教材の出版作業も遅延しているため、科研期間の延長をすることとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
会話データの分析、および、口頭発表、論文投稿、教材開発を続けて行う(主に、ナラティブの会話など)。それとともに、作成した教材を学部授業などで試用し、その効果を分析し、授業活動案を改善・提案する。さらに、開発した教材を公開するとともに、ワークショップ、パネル発表などを行い、教材の使い方を様々な方に体験してもらい、その効果を図る。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ(COVIT19)の影響により、海外などでの学会発表が延期・中止され、予定通りの研究発表が行えず、旅費が使用できなかった。次年度は、研究計画の見直しを行い、計画的に予算執行を行えるようにする。
|