2021 Fiscal Year Research-status Report
留学中の第二言語習得とアイデンティティ:映像データによる自伝的アプローチ
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19K00703
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
海野 多枝 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (00251562)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / アイデンティティ / マルチモーダルナラティブ / 自伝的アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のねらいは、第二言語習得の自伝的データの分析を通じて、長期留学中の第二言語習得とアイデンティティの構築を探るとともに、映像データを活用した新たなライフストーリー研究法の開拓をも目指すことにある。近年、デジタルカメラや写真共有アプリケーションの普及等により、人々の日常生活における写真撮影の頻度や写真の活用法にも変化が見られる。特に参加者の視点を重視する質的調査法においては、日常の生活記録として重要性を増す写真資料を活用して新たな方法を開拓していくことが期待されるものの、写真や視覚的データの活用法はいまだ未開拓の部分が大きい。本研究では、映像データを取り入れた新たな研究手法を盛り込むことで、多角的な視点から留学中の第二言語習得の問題を探りたいと考えている。 令和1年度は、最新の先行研究を渉猟するとともに、国際学会参加を通じて、最近の研究動向を探り、調査実施計画の精緻化をはかった。調査を開始し、問題点への対応を考え、今後の調査方法を精緻化し、必要に応じて次年度以降の調査計画を練り直した。 令和2年度は、データ収集と分析を平行して行った。学会参加を通じて学会の研究動向を掴み、海外の研究者と共同の成果発表の可能性を模索した。 そして、令和3年度は、引き続きマルチモーダルナラティブのデータ収集を続けるとともに、これまで収集したデータを分析し、分析結果の一部を論文にまとめ、学術雑誌に公刊した。また、イギリスの国際会議にオンラインで参加し、研究発表(査読有)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はこれまで得られたデータをデータベース化するとともに、データ分析と理論化を行った。また、これらの成果をまとめて国際会議で発表するとともに、論文にまとめ、学術雑誌に公刊することができた。当初の計画を概ね実行することができたため、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度には、これまでと同様にさらなるデータ取集を行うとともに、平行してデータ分析も行っていく予定である。その成果を英語の論文にまとめ、国際雑誌に投稿したいと考えている。また、国際会議等で研究発表を行い、研究の成果を広く発信していきたい。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、海外の国際会議で研究発表を行う予定であり、海外出張旅費を申請していた。が、コロナ禍により、国際会議がオンライン開催となったため、次年度使用額が発生した。本経費は、来年度にさらなる国際会議での研究発表等を行うための経費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)