2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K00710
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
永田 良太 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (10363003)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ほめ / 日本語 / インドネシア語 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度においては,前年度の研究成果にもとづいて研究を進めた。令和2年度の研究実績は以下の2点にまとめられる。 1.前年度に研究を進めた日本語の「ほめ」に関する研究の概観をまとめ,次のとおりに公刊した。これにより,本研究課題を遂行するための研究上の基盤が整ったと言える。 ・永田良太(2021)「日本語の「ほめ」に関する研究の概観と展望」『広島大学日本語教育研究』(31),pp.1-9,広島大学大学院人間社会科学研究科日本語教育学プログラム 2.前年度に,インドネシア人日本語学習者を対象として行った聞き取り調査の結果,教室場面だけではなく,実際の会話の中で,学習者が「ほめ」をどのように用いて談話を展開しているかについても明らかにする必要があることが明らかになった。これに関して,令和2年度は調査研究を行い,談話における日本語とインドネシア語の「ほめ」の実態を明らかにし,以下のとおり公刊した。これにより,談話における日本語とインドネシア語の「ほめ」の特徴が明らかになった。同時に,「ほめ」を授業談話の中だけでなく,日常会話を含めた包括的な文脈でとらえるための枠組みおよび分析や考察を行う際の知見を得ることができた。 ・Mutia KUSUMAWATI・永田良太(2021)「談話における日本語とインドネシア語の「対者ほめ」:「ほめ」の連鎖に着目して」『Nidaba』(50),pp.23-36,西日本言語学会
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から研究を進めていたレビュー論文については計画通りに刊行することができたが,予定されていたインドネシアでの授業談話の採集については,新型コロナウィルスの感染拡大防止のために渡航ができなかったため,予定を変更せざるを得なかった。 その代わりに,前年度の聞き取り調査から得られた,談話の中でのインドネシア語と日本語の「ほめ」についての研究を進め,刊行することができた。この点で,研究全体としては進展したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も新型コロナウィルスの影響が続き,海外渡航が困難であることが予想される。国内の教育現場にも外部者が入ることが難しい状況であるため,予定されていた授業談話の採集が難しいことが予想される。この点について,オンラインでの収集の可能性を探りながら,研究課題を遂行していく予定である。また,昨年度の実績をふまえ,授業談話にとどまらず,多種類の談話の分析も視野に入れつつ,研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度は海外渡航が出来なかったことにより,データの採集や文字化等の作業を行うことができなかった。今年度も実施が困難な状況が予想されるが,オンラインでの遂行可能性を探りながら研究を実施していく予定である。
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