2023 Fiscal Year Research-status Report
使用語彙から見た日中の学生の母語による意見文と中国人留学生の日本語意見文の比較
Project/Area Number |
19K00717
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大野 早苗 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40364955)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
莊 嚴 秀明大学, 観光ビジネス学部, 教授 (70348415) [Withdrawn]
楊 虹 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科】, 教授 (20571607)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 中等教育 / 作文教育 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国の大学生、日本の大学生、日本の大学の中国人留学生の意見文の特徴の比較と、意見文の特徴の背景にある中等教育のあり方の比較が大きな柱となっている。2023年度は、中国の中等教育における作文指導の方法とそれが学習者に与える影響についての検討を行った。 中等教育における作文指導の方法については、中国で広く用いられている教科書である『義務教育課程標準教科書 語文(7~9 年級)』(2015 年,人民教育出版社)の作文部分を中心に分析を行った。 その結果、中等教育で行われる作文教育では、教材として文学作品や故事成語などが用いられ、続きを作成する、詳細を書き加える、視点等を変えて書くなどの方法がしばしば採られることがわかった。作文のジャンルが議論文(意見を述べる文章)であっても、教材として文学作品や故事成語などが用いられることに変わりはなく、作品から読み取れる真理や哲学について論じるという課題が教科書にもしばしば掲載されている。 こうした教育は、作文の際の使用語彙にも影響を与えることと思われる。 以上の研究成果については、次のパネルディスカッションの中で、中国の国語教育における作文教育のあり方として紹介した。 大野早苗・マリオッティ,マルチェッラ・ヴァロネ,ガイア(2023)「外国語教育におけるクリエイティブ・ライティングの意義と方法―学習者のホリスティックな成長に向けた創造力と考える力の育成―」第26回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム,於 ゲント大学(ベルギー)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は、2020年に中国の大学で1年生が書いた意見文(議論文)を収集し、同年、日本の大学で中国出身の留学生にも意見文を書いてもらうことを計画していた。 コロナ禍の影響により、中国に赴くことがかなわず、また、日本への留学生も激減したため、研究に大きな遅れが生じた。 その後、中国に在住する研究者の協力を得て、意見文の収集を進めるなどしてきたが、当初の計画からの遅れが続いており、研究期間を延長している。
|
Strategy for Future Research Activity |
日中の大学生の意見文収集は終えており、使用語彙の分析に取りかかっている。 現在までに、意見文中に出現した全ての内容語について、出現度数を産出しており、本年度中に日中の傾向の比較を終えて発表を行う計画である。
|
Causes of Carryover |
日中の大学生の意見文に用いられる語彙の比較について、2023年度に分析に着手したが、完了しなかった。次年度に分析を終え、結果の発表に係る経費を次年度使用額で賄う計画である。
|
Research Products
(1 results)