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2021 Fiscal Year Research-status Report

動機づけの自律的なコントロール能力の獲得過程

Research Project

Project/Area Number 19K00724
Research InstitutionSuzuka University

Principal Investigator

山本 晃彦  鈴鹿大学, 国際地域学部, 助教 (60781804)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 末吉 朋美  関西大学, 国際教育センター, 留学生別科特任常勤講師 (20761034)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords自律的動機づけ / 学習の記録 / 留学生
Outline of Annual Research Achievements

本研究は日本語学習者が自身の動機づけをどのようにコントロールしているのかを明らかにすることを目的とする。本年度は質問紙調査の結果を中心に学会発表、論文投稿を行った。
まず、留学生別科生を対象に、「学習の記録」を用いた内省が自律的動機づけに与える影響について調査を行った。学期の開始前と終了後に自律的動機づけに関して質問紙による調査を行い、その変化を探った。「学習の記録」の活動を行った群と行っていない群では、事前調査では有意な差は見られなかったものの、事後調査では活動群のほうが「将来の目標・手段」に関わる「同一化的調整」得点が有意に高く、非自律的動機づけ得点が有意に低かった。したがって、「学習の記録」における内省活動は、同一化的調整の維持と非自律的動機づけの抑制の効果があると考えられる。
次に、大学の学部留学生の自律的動機づけの形成について調査を行った。質問紙による調査の結果、学習者は全体的に自律的動機づけ得点のほうが非自律的動機づけ得点よりも高いこと、日本語能力試験未合格者のほうが合格者よりも非自律的動機づけ得点が高いことが確認された。この結果から、学部留学生は、入学当初から就職のための一つの道具として日本語学習を動機づけていることがわかった。また、日本語能力試験の受験経験が非自律的動機づけ得点と関わっていることから、資格試験へのチャレンジによって自律性を高めている可能性が示唆された。一方で、自律的動機づけ得点と非自律的動機づけ得点がともに高い学習者が一定数見られたことから、「疑似内発的動機づけ」の存在の可能性が出てきた。
また、これまで使用していた質問紙は日本人の学習者の下位尺度を留学生向けに一部改訂したものを使用していたが、非自律的動機づけ項目に日本人の学習者とのずれが生じている可能性が現れたため、改めて留学生向けの下位尺度について検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

これまでは自律的学習動機尺度は日本人の学習者をもとに開発されたものを留学生向けに改訂したものを使用していた。しかし、日本語学習者の学習歴や年齢は日本人の学生よりも幅が広く、下位尺度の分類に若干のずれが見られることに気づいた。そこで、改めて、外国人日本語学習者用の下位尺度について、検討しなおし、それをもとに、類型化を進める方向へと転換した。
また、コロナで直接インタビューする機会が取りにくくなったこと、コロナによって、以前のデータと若干の違いが見られるようになったこと(国籍の偏りなど)が原因で、研究がやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

新たに留学生向けに検討しなおした自律的動機づけ尺度をもとに、学習者の類型化を進めていく。自律化の進行具合によっていくつかの群に分類し、その特徴を探る。
また、「学習の記録」では自身の学習を振り返り、記録してもらっている。その記録から動機づけに関わるコメントを抽出し、自身に対してどのような働きかけを行っているか、分類された群ごとに特徴を分析していく。
さらに、「学習の記録」は教師がコメントをつけて返却しているが、教師がどのような意識でコメントをつけているのかについて、インタビュー結果をまとめる。なお、インタビューは既に実施済みである。

Causes of Carryover

コロナの影響で対面で学会が行われなかったため、旅費の使用がなかった。コロナで活動が縮小していたため、人件費も必要としなかった。
少しずつ対面で学会が行われるようになったため、次年度は学会参加のための旅費、翻訳やデータ処理等の人件費に充てる予定である。もし、海外での学会が対面で行われない場合は、国内での学会参加や論文投稿費、新たな資料の購入等に充てる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 日本語学習場面における自律的動機づけの傾向 : 学部留学生を対象として2022

    • Author(s)
      山本 晃彦, 音成 佐矢子
    • Journal Title

      鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要

      Volume: 5 Pages: 243-254

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 「学習の記録」が自律的動機づけに与える影響2021

    • Author(s)
      山本 晃彦, 末吉 朋美
    • Journal Title

      日本語教育方法研究会誌

      Volume: 28 (1) Pages: 106-107

    • DOI

      10.19022/jlem.28.1_106

    • Open Access
  • [Presentation] 日本語学習者のための自律的動機づけ尺度作成の試み2022

    • Author(s)
      山本 晃彦, 末吉 朋美
    • Organizer
      日本語教育学会 2021 年度第 5 回支部集会【関西支部】

URL: 

Published: 2022-12-28  

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