2021 Fiscal Year Research-status Report
Cultual Propaganda for ''Greater East Asia Co-Prosperity Sphere''and the Japanese Language :Linkage of Expansion and Regurgitation between Japan,Manchuguo and the Mengjiang Regime
Project/Area Number |
19K00726
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
酒井 順一郎 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (10608269)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 「大東亜共栄圏」 / 「満洲国」 / 保科孝一 / 富山民蔵 / 日本語普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
「満洲国」における日本語普及問題について保科孝一と富山民蔵の論争とその周辺問題を分析した結果、日本の進歩的知識人が日本においてできなかった日本語の実験を行おうとしたことを明らかになった。 保科の基本姿勢は「人知のきわめて幼稚」と「満洲国」の民を評し、そのためには彼らの言語を奪い、日本語を学ばせ、仮名を国字にせよと主張した。保科は日本国内において漢字全廃論者であり、「満洲国」でそれを実践しようとした。その反面、富山民蔵は中国人研究者や教育実践者の考えを基に「満洲国」での強制力を伴う日本語普及に否定的であった。また、中国語と日本語の発音及び言語学的差異や近代日本語そのものが確立されていない点も指摘していた。この近代日本語の不確立性が日本側においても問題となり混乱し、「大東亜共栄圏」におけるそれが日本語普及の挫折の一要因となったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため海外調査はできず、また日本国内の図書館等の調査も入館制限等があり、思うように研究活動ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はコロナ収束後、国内外の調査を行う予定である。また、これまで収集した資料を再分析していくが、研究の進度を考慮し、さらに1年間延期することも念頭に入れている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため国内外における資料収集調査ができなかったため。2022年度は、コロナ禍収束後、国内外で資料収集調査を行う予定である。
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Research Products
(2 results)