2023 Fiscal Year Annual Research Report
「移動の世紀」の言語教育を考える ー移民統合とCEFR-CVの基礎研究ー
Project/Area Number |
19K00736
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真嶋 潤子 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 名誉教授 (30273733)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 移民統合 / CEFR / CEFR-CV / 言語教育政策 / 日本語教育 / 移動の世紀 / 複言語主義 / ドイツ連邦共和国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は喫緊の課題である外国人受け入れとスムーズな社会的統合をどう考え、どのように実施していくのかという少子高齢化社会を迎える各国共通の現代的喫緊の課題への対応を考察するために、文献並びに移民統合政策の先進国であるドイツでの調査を具体的な事例としてデータの中心として分析している。 2023(R5)年度は、7月にフランス、ドイツ、オーストリアでの現地調査、ドイツでの研究集会の実施、11、12月にはドイツでの追加調査に加え、欧州評議会の現代語センター(ECML)での国際会議に(日本から一人)出席して、情報収集とネットワーキングを行なった。 2021年度から継続している文化庁の文化審議会国語分科会日本語教育小委員会の委員として、ドイツでの移民統合政策について発表する機会もあり、また「日本語教育の参照枠」の普及と今後の課題の検討のために、本科研調査の成果が役立つことになった。 本調査全体としては、欧州評議会の言語政策を基盤にして進められている欧州各国のうち、特にドイツ、フランス、オーストリアの政策については、現地調査も含めて情報収集を行うことができた。他のいくつかの国々(イタリア、英国、オランダ、ベルギー、スイス、ハンガリー等)については、文献調査と一部ネットワーキングができた。 成果は欧州評議会のCEFR(2001)とその補遺版CEFR-CV(2020)を核とする言語教育政策の内容と実施方法とその具体例と課題の把握である。データベースの構築と、学術論文の発表と、国際会議等での発表がこれまでの成果であるが、研究課題の一部は、2023年度から3年計画の科研基盤研究(C)(課題番号:23K00608)で引き継ぐこともできると考えている。
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