2019 Fiscal Year Research-status Report
看護を学ぶ留学生のためのライティング教材の開発とその基礎研究
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19K00744
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山元 一晃 国際医療福祉大学, 総合教育センター, 助教 (70799866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 翔子 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 助教 (50804118)
加藤 林太郎 国際医療福祉大学, 留学生別科, 助教 (00803355)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護実習記録 / 専門日本語教育 / コーパス / 専門語彙 / SOAP展開 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主に、実習記録の数量的な調査、および、留学生の指導にあたる看護教員にインタビューを行った。 実習記録の数量的な調査においては、記入項目ごとに表現が違うことが明らかとなった。具体的には、「アセスメント」を記述する様式のS、O、Aのそれぞれで使われる品詞が異なることが分かった。また、「看護計画」のC-P、O-P、E-Pなどでも、品詞の分布が異なることが分かった。また、「実施・評価」「サマリー」などにおいても、記入項目によって品詞の分布が異なった。さらに、特徴的な語が、様式によって異なっていることも分かった。これらの知見は、既に開発している教材に反映させている。 「アセスメント」と「看護計画」については、文末表現を中心に、用いられている表現も分析した。記入する項目によって、体言止めで書くのか、完結した文で書くのかが異なり、また、場合によっては、一つの項目の中においても、併用していることが分かった。 その他、文末以外の表現についても分析するためn-gramを用いて、「アセスメント」に高頻度な表現を明らかにした。その結果、S、O、Aのいずれにおいても「ている」のようなアスペクト表現が共通してみられた。また、S、O、Aのそれぞれに着目すると、頻度の高い表現が異なることが分かった。2020年度以降、これらの知見も教材開発に反映していきたいと考えている。 留学生の指導にあたる看護教員へのインタビューも行った。インタビューは、4名の看護学科教員に対して1回に2名ずつ、計2回行った。このインタビューについての分析も行ったが、研究成果の発表は2020年度に行う予定である。 2020年度には、上記インタビューを基にした国内の看護師学校養成所へのアンケートを実施する。そのため、全国の看護師学校養成所のリストアップの作業も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実習記録の言語的な側面の調査については、計画以上に進行している。ただし、看護師学校養成所へのアンケートについては実施できていない。これは、アンケートの作成にあたって、事前に留学生の指導にあたる看護教員へのインタビューを行うこととしたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビューの分析をさらに進め、夏頃を目処にアンケートを作成、年度内の回収を目指す。インタビューの分析についてはできるだけ2020年度内に学会発表等を行っていく。看護教員へのインタビューを踏まえ、留学生に対するインタビュー実施の必要性も感じられたため、できるだけ2020年度内のインタビュー実施を目指す。その他、2020年度の研究成果を学会発表や論文として発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響により2019年度2月から3月に開催予定だった学会や研究会等が中止となった。そのため、次年度使用額が生じた。次年度には、学会や論文投稿等にかかる経費に使用予定である。
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Research Products
(5 results)