2019 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Japanese as L2 Users' Ability to Initiate or Finish Small Talks between Two or Three Participants
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19K00750
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
鎌田 修 南山大学, 人文学部, 研究員 (20257760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立部 文崇 徳山大学, 経済学部, 准教授 (10724081)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 雑談 / 接触場面 / 3者間会話 / プロフィシェンシー / 第二言語習得 / ロールプレイ / ロールカード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、日本語を第二言語とする話者(以下、JSL話者)とのコミュニケーション研究の一環として、JSL話者がもつ雑談能力がどのように向上していくのか、また向上していく過程においてどのような特徴が見られるのかを明らかにし、かつ、JSL話者の雑談能力の育成に関しても検討することを目的にしている。研究手法としては、JSL話者とのロールプレイによるデータ採取を行い、その観察、ならびに、分析を試みる。この課題に取り組むため初年度においては、そもそも「雑談」とはなにかを検討し、それを元にしたロールプレイカードの作成を進めることを計画した。ロールプレイカード作成の前提となる雑談の基礎的分析においては、①「雑談」とは何か、②「雑談」の形態にはどのようなものがあるか、③「雑談」が生じる要因は何かという3つの側面から取り組んだ。その後、この考察から得た研究基盤をもとに初年度の目標であるロールプレイカード(雑談をおこなうことを目的とする)の作成を進めた。これらは、JSL話者が身につける雑談能力とはなにかという課題対する理論的基盤の構築となり、またJSL話者が身につける雑談の特徴を浮き彫りにするために必要な日本語母語話者のデータ収集にも用いるものである。初年度、上記の取り組みを進めるにあたって、合計4回の会議を分担者とおこなっている。それぞれの会議においては、以下のような検討課題をもって議論をおこなった。 ①研究計画の確認、および、本研究課題の背景となる先行研究の確認: ②雑談とはなにか、また雑談を分析するにあたって必要な概念は何か ③パイロットとして収集した雑談データの検討 ④理論的基盤の整理とロールプレイカード(パイロット版)の作成
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始当初からの予定より、やや遅れた状態にある。初年度において実施する予定であった作成したロールプレイカード(パイロット版)による日本語母語話者データの収集が進んでいない。これはロールプレイカード(パイロット版)作成後に実施する予定であってデータ収集の期間に新型コロナウイルス による影響を受け、研究協力者同士が対面にて雑談をおこなえなくなったことに起因している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響が終息後、すでに作成したロールカード(パイロット版)をただちに用いて日本語母語話者データの収集にかかる。またすでに作成済みのロールプレイカードにより適当な日本語母語話者の雑談データが収集できた場合、すぐにJSL日本語話者(日本語を第二言語として使用する話者)の雑談データの収集に取り掛かることを予定している。その後、それらのデータ分析を行い、研究目的に従った成果発表などを計画している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスのため、予定していた学会出張ならびに、調査協力者にお願いする活動(ロールプレイ)を行うことができず謝金の支払いも必要なかったため。コロナ禍の終息後、直ちに、2019年度に計画した活動のうち、未遂行のものに取り組み、研究を軌道に乗せる。
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