2019 Fiscal Year Research-status Report
サハリン在留日本人とその家族の越境のライフストーリー
Project/Area Number |
19K00754
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Research Institution | Yamano College of Aesthetics |
Principal Investigator |
佐藤 正則 山野美容芸術短期大学, その他部局等, 講師 (50647964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三代 純平 武蔵野美術大学, 造形学部, 准教授 (80449347)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ライフストーリーインタビュー / フィールドワーク / 残留日本人 / 永住帰国 / 一時帰国 / 複言語複文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本語教育学の観点から、サハリン在住の残留日本人、または日本に永住帰国したサハリン残留日本人とその家族の越境の経験をライフストーリーインタビューによって記録するとともに、調査結果からサハリン残留日本人家族の具体的な日本語教育のあり方を考察し、その上で複文化複言語性を基盤とした生涯教育としての日本語教育を構想していくことである。 2019年度の計画は、まず、歴史学的、地政学な文献調査を行うこと、第2にサハリンに住む残留日本人の方々、北海道の永住帰国者の方々に第1回目のインタビュー調査を行うことであった。文献調査については、境界研究、移民研究、教育関係等の他に対談やルポ等の文献も幅広く収集し、サハリン残留日本人の多層的な理解を試みた。 インタビュー調査については、2019年夏、日本に住む帰国者の方数名に1回目のライフストーリーインタビューを実施することができた。一方、サハリンについては、まずは残留日本人の方々に会うこと、サハリンというフィールドを理解することが重要であると考え予備調査を行った。サハリン日本人会の協力を得、ユジノサハリンスク(豊原)だけではなく、クラスノゴルスク(珍内)、ウグレゴルスク(惠須取)に赴き、そこに住む残留日本人の方々にお会いした。その他、サハリンにおける日本人会の総会にも参加しフィールドワークを行った。同時に残留日本人の支援者へのインタビューも行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査はほぼ予定通り進んでいる。一方、本研究の中心であるライフストーリーインタビューについては、3月にサハリン在住の残留日本人一世の方々を中心に実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により中止を余儀なくされた。以上の点から、全体的に見れば計画通りに進んでいるとはいえない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、日本語教育学的な課題と同時に、サハリン残留日本人の方々の声と映像の記録も目的としている。2020年度は、北海道や関東近辺に在住する永住帰国者の方々や、サハリンに在住する残留日本人の方々へのライフストーリーインタビューが中心になる。また、インタビューのアーカイブ化、論文化の準備も進めていく予定である。だが、新型コロナウィルス感染症拡大により、今後の日程は不透明な状況にある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、年度末に予定していた出張を中止せざるを得なくなったために次年度使用額が生じた。2020年度は延期になった調査研究を含めて、実施調査を行う予定である。インタビュー調査は、サハリン、北海道、関東地方における残留日本人とその家族を数回に渡って実施する予定である。
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