2021 Fiscal Year Research-status Report
Influences from L1 on the Acquisition of English Prosody
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19K00757
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
斎藤 弘子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10205669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新城 真里奈 明治大学, 文学部, 専任講師 (00838518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語学習 / プロソディー / イントネーション / 母語の転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、2020年度までに得られた観察結果により、日本語を母語とする英語学習者の英語イントネーションの実現方法には学習レベル別の「間違い方」が見られることや、イントネーションの構成要素のうち音調と核配置に関しては習得の難易度や順番があることを明らかにした。2021年度は、その理由についてより詳しい考察を進めるべく、実験用の読み上げ文に変更を加え、更なる録音データ収集に努めた。また、言語学習環境や指導法といった条件との関係についても探るために、追加で録音を行い、音声分析を行った。ただし、当初行う予定だった「英語圏への留学」の影響については、Covid-19の蔓延により留学に行けなくなった学生が多かったため、条件に合う実験協力者が思うように集まらなかった。そのため、研究計画を一部見直すこととなった。
研究分担者は、2020年度に行った研究を質・量的に拡充するために、様々な文種を含む様々な文が混在する長文テクストの音声分析を行った。分析結果より、イントネーション句の頭部の長短やコンテクストに関わらず、2020年度に報告したウェールズ英語特有のピッチ変動パタンが観察されているほか、コンテクストのある文においても標準イギリス英語とウェールズ英語では核音調の使用方法が異なることや、核配置に関するルールが異なることが示唆された。これらの点について、社会言語学的視点から研究成果をまとめる作業を始めたところである。
このように、双方の研究からは、イントネーションの音調と核配置において母語(L1)の影響がはっきり見られるという共通点のあることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の2年目、3年目には、Covid-19感染蔓延が起こった影響で、多くの学生が海外留学から早期帰国し、2020年度の海外留学については中止を余儀なくされた。そのため、研究代表者は、「英語圏への留学グループ」のデータを取ることができなかった。2021年度後半になり、少数の学生は海外留学に出発することができたが、まだ帰国していないため、留学後のデータをとることができていない。そのため、「学習条件」については一部変更を行うこととした。 同様に研究分担者も、ウェールズへの渡航が叶わず、データ収集を現地で行うことができなかったため、双方とも研究計画を変更せざるをえず、進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2021年に集めた追加の音声データの分析結果をまとめ、日本語を母語とする英語学習者が効果的に英語イントネーションのパタンを習得するための方策について考え、効果的な指導へと結びつけることができるようにしたい。
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Causes of Carryover |
2020年度も2021年度もコロナ禍により、研究発表を予定していた英国での学会(Phonetics Teaching and Learning Conference)が延期および中止となり、海外渡航の旅費を使用しなかった分、次年度使用額が生じた。2022年も同学会の現地開催がなく、旅費として使用しない場合は、別の費目に振り替えて研究発表につなげる予定である。
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Research Products
(1 results)