2021 Fiscal Year Research-status Report
コンピテンシー育成のための留学生を活かした中国語教育プログラムと評価の開発
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19K00764
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
寺西 光輝 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 講師 (90782467)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンピテンシー / 留学生 / e-learning |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、ひきつづきコロナ禍において対面でのやりとりが制限される中、研究2年目までに収集したデータを基に、主にコンピテンシー育成を目的とする中国語教材の開発に当たった。また、コロナ禍を経て進む教育のデジタル化や、社会構造・交流システムのオンライン化といった状況を踏まえ、とりわけe-learningの活用や、オンラインでの交流活動を想定した教育方法および評価方法の開発に取り組んだ。 e-learningシステムについては、これまでの紙ベースで行われてきたドリルを、LMSのmanaba上で何度も繰り返し行えるようにし、「行動中心アプローチ」に基づく教材および、コンピテンシーの育成を目指す教室活動との連携について検証した。1年目に開発した「中国語ポートフォリオ」についても、その一部をデジタル化し、運用と基礎的な検証を行った。 中国語学習者と中国語圏の留学生との交流については、引き続きオンラインで中国語ラウンジを開催し、オンラインでの国際的な学びの共同体を構築するための基礎的な検証を行った。 さらに、CEFR-CVにおける「オンラインでのやりとり」を想定して、中国語母語話者のアプリ使用やそこでの言語使用に関するデータ収集を行い、オンラインでの交流活動を授業に取り込むための研究および実践を行った。またこれを基に新たなCan-doを開発するとともに、行動中心アプローチに基づく教材開発を行った。なお、これらの研究成果は研究期間を1年延長し、次年度に公表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、ひきつづき対面での交流活動が制限され、国際交流活動および授業実践に関する十分なデータ収集が行えず、また教育のオンライン化のための取り組みに多くの時間を費やしたため、従来想定していた図書の公刊を行うことができなかった。 一方で、オンラインでの交流を想定したCan-doの設定や、オンラインでのやりとりに関するデータ収集を行うことができ、教材開発の面では大きな進展があった。また、e-learningシステムの構築や、ポートフォリオのデジタル化などの面でも進展があり、オンラインでの実践や活動の記録、中国人留学生との交流等を通してコンピテンシーを育成するための教育および評価のモデルについて、その基礎を築くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究目的であった大学内での留学生との交流と、授業・教材・評価方法との連携については、従来想定していた対面形式での実践および教学システムの構築はひきつづき困難であることが予想される。 そこで当初予定していた研究期間を1年間延長するとともに、オンライン型の交流および、eポートフォリオ、e-learningなどと、コンピテンシーの育成を目的とする中国語教育を連携した、新たな教学システムを構築し、その効果を検証することを目指す予定である。 また、これまでに収集したデータおよび研究成果を基に、コンピテンシーの育成やオンラインでの交流を想定した新しい中国語教材を完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
ひきつづきコロナ禍により旅費の使用がなく、また研究教育活動の多くがオンライン化されたため、当初予定していた消耗品の購入もなかった。次年度は、引き続き旅費の使用は制限される可能性が高いため、研究および教育実践のオンライン化のための機材購入や、データ収集および分析のための人件費にあてる予定である。
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