2021 Fiscal Year Research-status Report
小学校外国語教育において児童の自立学習を促す指導モデルの開発
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19K00770
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
長田 恵理 國學院大學, 人間開発学部, 准教授 (40581690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
物井 尚子 (山賀尚子) 千葉大学, 教育学部, 教授 (70350527)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小学校外国語科 / 教科書分析 / ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は採択率上位二社(東京書籍・光村図書)教科書調査を行った。具体的には、読むことと書くことに焦点を当て、CEFRを基準とする子供向けのヨーロッパ言語ポートフォリオ(ELP)に照らし合わせたところ、おおよそ、A1レベルの記述文の半分程度に当てはまる言語活動があることが分かった。この調査については全国英語教育学会で発表し、中部英語教育学会紀要にて出版した(「読むこと」「書くこと」に焦点を当てた教科書分析 ―ELPの記述文との対照から―:長田・米田, 2022) 。しかし、自立/自律学習に結びつくものかどうかは少なくとも紙面上から測り知ることは難しかった。当年度に指導書まで検討する時間的余裕がなかったため、延長した2022年度には指導書についても調査し、児童の自立/自律学習を意識したつくりになっているかの検討を行う予定である。また、教員養成課程において、学生の英語力をあげる方法としてCLIL的な授業の可能性についての研究も行った。こちらは所属先の紀要に結果を掲載した(初等教職専門科目での英語接触時間の確保―英語による指導力向上を目指して―:長田, 2022) )。指導に関する授業において、学生の自律的な学びを促すために、模擬授業を2度実施し、その後、振り返りのためのポートフォリオに記入させたり、自由記述をさせたりしたデータがあるが、分析ができていないため、次年度に持ち越し、研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度も新型コロナウイルスパンデミック下において、予定していた計画を進めることができなかった。主な理由は以下の二点である。 ①大学での授業準備等に係る時間が通常よりも大幅に多くなり、研究に割く時間を十分に取ることができなかった。 ②小学校現場と連携して研究を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
延長した2022年度には、以下を行う予定である。 ①指導書についての検討を行う。2021年度は教科書紙面についての調査を行ったが、具体的な指導方法は指導書に書かれているはずである。また、前年度は「読む」「書く」についてのみの調査だったが、自律的学習については3年生から始まっている特に「話す」について活動が設定されているのではないかと推測されるので、「話すこと」の領域についても調査をする。 ②小学校の実態調査を行う。まだまだ、パンデミックの状況は一進一退を繰り返しているが、小学校現場を訪問できる可能性が広がっているので、実現させたい。 ③教員養成課程の学生自身が自立/自律学習をし、その様子を記録する。記録媒体は「言語教師のためのポートフォリオ」を使用する。授業の中で、学生に、「児童が『外国語』の時間で自律的に学ぶとはどういうことか」を問う意識調査を行うとともに、実際に指導案を書かせる。 ④研究協力者にこれまで行ってきた自立/自律的学習活動の聞き取り調査を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の進度が予定より遅く、余儀なく1年延長したため、移動のための交通費、資料代、消耗品費及び謝金の分を次年度に持ち越した。
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Research Products
(4 results)