2019 Fiscal Year Research-status Report
モバイルデバイスによる学習環境の変化に関する研究: 電子辞書から辞書アプリへ
Project/Area Number |
19K00777
|
Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
小山 敏子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (20352974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薮越 知子 日本大学, 経済学部, 准教授 (80578071)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 電子辞書 / スマホアプリ / 英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度(2019年度)は、分担研究者の薮越知子氏(日本大学)とともに国際学会と全国レベルの国内学会で口頭発表し、学内紀要に論文を公開した。 2019年8月、FLEAT 7(International Conference on Foreign Language Education & Technology 於:早稲田大学)では、前年度に中国蘇州で開催されたGLoCALL2018での発表内容の再現実験結果を報告した。大学生がTOEIC Part5のような短文の語彙文法問題を解答する際、1)約75%がスマホのアプリを使用、2)電子辞書使用群の検索語数は有意に多かったが、3)電子辞書でもスマホでも、得点差はなかった、というものであった。今回は、スマホアプリを利用した学生が若干増加したが、使用した辞書やアプリの違いが学習効果としての得点の差に影響はないという同様の結果が確認された。 同月には、全国英語教育学会第45回弘前研究大会において、2015年度に採択された基盤研究(C)の連携研究者とともに、入学直後の大学生を対象とした辞書利用の実態調査(4年間)をまとめ公開した。1)どの年度でも半数程度が英和辞典(紙辞書)を中学1年時に使い始め、2)紙の辞書指導経験の有無は5割~7割、3)電子辞書の所有率はどの年度でも7割~8割であった。また、4)スマホの所有率はほぼ100%、使用開始時期が年々早期化しており、大学入学までにスマホのWeb翻訳機能利用者も年々増加、2018年度には8割を超えていた。但し、5)英語学習の際、最も使われているのが電子辞書、というものであった。 また、同年11月には、小山がイースト(株)主催(三省堂、大修館書店共催)の『辞書活用シンポジウム』での講演依頼を受けて発表を行った。大阪大谷大学教育学部紀要には、GLoCALL2018での研究結果を薮越氏と共著で執筆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基盤研究(C)採択までに積み上げてきた予備実験の研究成果をもとに、2019年度は順調にデータ収集ができ、その成果を公開できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度の学会発表後、2020年度を見据えてデータ収集を行っている。 これまでは短文語彙文法問題を解答する際の大学生の検索行動を調べてきたが、次のフェイズとして英文読解問題における検索行動を調べている。 また、これまでは量的な研究であったが、検索行動を質的なデータから明らかにするため、年度末には予備実験にも着手した。
|
Causes of Carryover |
(理由) 2019年度末に発表を予定していた研究会が新型コロナ感染拡大により中止となった。また、分担研究者との研究打ち合わせの機会も、同様の理由で困難となり、オンラインでの会議を複数回持った。そのため、出張に関する費用が抑えられた。 (使用計画) 実験参加者への謝金、データ収集後の入力アルバイトへの謝金、データ分析と論文執筆のための研究書購入などに充てる予定である。
|
Research Products
(6 results)