2022 Fiscal Year Annual Research Report
モバイルデバイスによる学習環境の変化に関する研究: 電子辞書から辞書アプリへ
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19K00777
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
小山 敏子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (20352974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薮越 知子 日本大学, 経済学部, 准教授 (80578071)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 辞書アプリ / 電子辞書 / スマートフォン / 語彙・文法問題 / 英文読解問題 / TOEIC / 英検 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、英語学習時において必要な語彙情報を得るための検索行動が、電子辞書とスマートフォン(スマホ)利用時でどのような違いが見られるかを調べてJAAL in JACET 2020(オンライン)で発表した成果を論文にまとめて公開した(Yabukoshi & Koyama, 2022)。実験で扱ったタスクは、TOEIC問題で扱われる英文読解問題を自由に解答する形式のものであった。また、2019年に早稲田大学で行われたFLEAT7において発表した内容(TOEIC語彙文法問題の解答時における検索行動と学習成果)についても論文にし、岩崎研究会の論文誌LEXICONに投稿、採択された(Koyama & Yabukoshi, 2022)。 これらの研究結果から得られた主な知見は、1)大多数の大学生がタスクの内容にかかわらず、検索エンジンや無料の翻訳アプリを利用し、2)学生らが利用する検索ツール(電子辞書かスマホか)の選択と学生らの英語基礎力の相関は見られず、3)どちらのツールを使っても、タスクの正答率に有意差は見られなかった、ということであった。 この他、コロナ禍で加速化したGIGAスクール構想の影響から、小・中・高の学校教育現場ではタブレット等の使用が常態化している現状を踏まえ、2018年度に南米チリで行われたWorldCALL2018での発表内容をベースに追証実験を行う必要性を考慮し、その発表内容(実験結果)を論文化し学内紀要で公開した(Koyama, 2023)。この研究内容は、大学生に市販されている有料の辞書アプリを導入したスマホ、タブレットそれぞれを使って、英検で使われている語彙・文法問題と読解問題に取り組んでもらったもので、特筆すべきは読解問題での検索語の1週間後の再認率の結果が、スマホ使用時において有意に高かかったことであった。
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Research Products
(5 results)