2021 Fiscal Year Research-status Report
音声認識・音声合成を応用利用したシャドーイング教材の難易度の最適化
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19K00788
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古泉 隆 名古屋大学, 教養教育院, 講師 (60549541)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シャドーイング / モデル音声の速度調整 / 音声認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シャドーイングのモデル音声(合成音声を利用)の速度を、音声認識を利用し自動調整することで、または学習者自身が調整することで、どのようにシャドーイングの難易度が最適化され、どのような学習効果が得られるかを検証していく。 まず、前年度の調査に引き続き、シャドーイングのモデル音声の速度が固定されたグループ(速度固定グループ)とシャドーイングのモデル音声の速度を学習者が自由に変更できるグループ(速度変更可能グループ)に関してさらにデータ収集を行った。データ収集は、夏季休暇期間中に、大学生に参加してもらい、アプリをインストールしたスマホを参加者に貸与し、自宅等で計10日間シャドーイング学習を行ってもらった。学習期間の前後にリスニングテスト(VELC Testのリスニングセクション)とスピーキングテスト(Versant Speaking Test)を実施した。また、学習期間後にはアンケートを実施した。その後、学習ログ(学習者による速度変更に関するログなど)を分析し、どのような速度変更パタンがリスニング・スピーキングテストのスコアの伸びに貢献するかを分析した。その後、その知見をシャドーイングアプリの速度自動調整機能に取り入れ、音声認識機能を利用したシャドーイング評価スコアに基づき、モデル音声の速度が自動調整されるようにした。2月と3月の春休みに、大学生に参加してもらい、速度自動調整型のシャドーイングアプリを用いた実験を実施し、夏休みと同様に事前事後テストやアンケートを実施し、データ収集を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シャドーイングのモデル音声の速度が固定されたグループ(速度固定グループ)とシャドーイングのモデル音声の速度を自由に変更できるグループ(速度変更可能グループ)のデータ収集を進め、学習ログ(学習者による速度変更に関するログなど)を分析し、どのような速度調整が効果的かを探索することができた。また、その知見をもとに速度自動調整機能のあるシャドーイングアプリの開発を進め、データ収集を実施し、速度固定グループ、速度変更可能グループ、速度自動調整グループのデータが蓄積し、総合的な分析が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、学習者自身がモデル音声の速度を変更することに関して得られた知見を整理し論文としてまとめていきたい。次に、これまでに実施した実験データを総合的に分析し、学習者自身が速度調整する効果およびシャドーイングのモデル音声を自動調整する効果を総合的に検証していきたい。
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Causes of Carryover |
学会がオンライン開催だったため旅費の使用がなかったことと、実験で使用するスマホのSIMカードが当初の想定よりもかなり安価に入手できたため、次年度使用額が生じた。使用計画については、主に、学会への参加費用および、論文の英文校閲の費用に充てたい。
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