2020 Fiscal Year Research-status Report
日本人大学生英語学習者による英語詩タイプ別の読解プロセスの研究
Project/Area Number |
19K00790
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西原 貴之 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (50469590)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語詩読解 / 文学作品を使った英語教育 / NIRS / 脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳機能計測装置と視線計測装置を用いて、英語詩のタイプに応じて日本人大学生英語学習者の読解プロセスがどのように異なるのかを調べ、大学における英語文学教材読解指導モデル構築のための基礎となるデータを得ることを目的としていた。しかしながら、装置のレンタル料の高騰により、令和元年度に脳機能計測装置のみを使用する計画に変更を行った。令和2年度は、前年度立案した調査計画に基づいて、調査の実施を行った。当初は2020年度5月に調査を実施する予定としていたが、新型コロナウィルスの関係で一度延期とした。しかしながら、感染状況が落ち着いた9月に実施を行うことができ、2週間にわたって合計24名の調査参加者からデータを得ることができた。令和2年度に行った具体的な作業は以下の通りである。 第1に、当初の調査計画の微修正を行った。9月に調査を実施するにあたって、新型コロナウィルス感染防止対策をしっかりと取れる形にした。 第2に、調査の実施を行った。調査はスムーズに行うことができ、結果として新型コロナウィルス感染等の問題も生じることなく、無事に調査を終えることができた。 第3に、調査で得たデータの解析を行った。今回得られた24名分のデータを整理した後、統計分析を行った。 第4に、得られたデータの解釈を行った(現在継続中)。今回得られたデータから、英語詩のタイプに応じて、日本人英語学習者の読解プロセスがどのように変化するのか、考察を進めている。この考察が終わり次第、研究成果の公表の準備に取り掛かる予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、令和2年度中に調査を計画していた。当初は5月の実施を予定していたものの、新型コロナウィルス感染防止の観点から一度延期することとなった。しかしながら、感染状況が落ち着いた9月に本調査を実施することができ、24名の調査参加者から無事にデータを得ることができた。 10月以降は得られたデータの整理と解析を行っている。調査の実施が9月にずれ込んだために、これらの作業の開始が遅れる形になってしまったものの、近日中に終えることができる見通しが立っている。この作業が完了し次第、研究成果公表の作業を始める予定としている。 また、調査を計画する途中で得られた知見をもとに、論文を1本発表し(『JAILA Journal』(日本国際教養学会))、研究発表も1回行うことができた(日本国際教養学会)。 さらに、調査結果を適切に解釈できるように、英語詩読解研究についての資料を収集し、その内容を整理する作業も順調に進めることができた。 以上の理由から、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに述べたように、本研究課題では調査を2020年5月に2週間ほどをかけて実施する予定としていた。しかしながら、新型コロナウィルスの影響で、4カ月遅れて実施する形となった。結果として、2020年度中に終える予定であったデータの整理と解析の作業がまだ完了していない。しかしながら、近日中には終えることができる見通しは立っている。 データの整理と解析の作業が完了し次第、研究成果の公表の作業に取り掛かる。学会発表と論文投稿という形での成果発表を行う予定としている。本研究テーマの内容との関係で、英語教育または英語文学と関りの深い学会または学術誌での公表を検討中である。 また、研究成果をまとめる過程で、本研究課題の総括も行い、今後の研究で検討すべき事項を整理する予定としている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染防止用の物品を新たに購入する必要が出たものの、予想よりも安くそろえることができた。また、必要な文献の多くがインターネット上で無料で入手することができた。以上のような経緯から、次年度使用額が生じることとなった。 最終年度となる令和3年度は、研究成果の公表が主な作業となる。したがって、助成金は主に研究成果を発表するための経費(オンライン学会でのエントリー料金、英文校正費等)に使用する。また、データの解釈等を行う上で必要となる書籍・論文等の入手にも使用する。
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