2022 Fiscal Year Annual Research Report
瞳孔径拡張による外国語理解力の向上: 過剰学習と間隔反復による
Project/Area Number |
19K00801
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
窪田 三喜夫 成城大学, 文芸学部, 名誉教授 (60259182)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 瞳孔径拡張 / 脳内音声処理 / 母音 / 音声分別能力 / ミスマッチ成分 / 過剰学習 / 間隔反復 |
Outline of Annual Research Achievements |
瞳孔径を拡張させることによって日本語英語学習者の英語母音ペアーの識別能力が上達するのかを研究した。瞳孔径拡張の方法としては超小型円を超大型円に瞬時に拡大させる方法をとった。脳波ミスマッチ成分を検出する実験パラダイムを用いた。瞳孔径拡張の平均値は、標準刺激では1674 dots に対し、逸脱刺激では1967 dotsであった。(1)英語母音ペアーのbeat-bitに関して、瞳孔径拡張実験を行った。pre-testと比べて、英語母音識別テストでは、28.1%の成績の上昇につながった。(2) 英語母音ペアーのboat-boughtに関して、瞳孔径拡張実験を行った。pre-testと比べて、英語母音識別テストでは、25.9%の成績の上昇につながった。(3) 英語母音ペアーのcup-copに関して、瞳孔径拡張実験を行った。pre-testと比べて、英語母音識別テストでは、25.2%の成績の上昇につながった。(4) 学習後30分後に再学習させる「過剰学習」 と 間隔を次第に大きくする「間隔反復法」(1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後)を組み合わせる実験群A、学習後30分後に再学習させる「過剰学習」する実験群B、「間隔反復法」のみの実験群Cを比較実験した。音声刺激は、英語子音ペアー3種類と母音ペアー3種類である。実験群Aが最も成績がよく、次に実験群C、そして実験群Bという結果であった。音声に関する学習効果は「過剰学習+間隔反復」方法が3ヶ月後もその音声記憶が維持されることを明らかにした。(5) 学習習熟度に応じて復習間隔に変化をつける実験では、TOEIC上級得点者(650-850点)、中級得点者(450-650点)、低級得点者(300-450点)の3実験群を設定した。TOEIC上級得点者では 1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の復習間隔が適していたが、低級得点者は密度の高い復習間隔が必要であった。1週間後、3週間後、1ヶ月半後、3ヶ月後という4回の復習が必要であった。
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