2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of English Learning Program in Cooperation with Museums
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19K00805
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
清田 洋一 明星大学, 教育学部, 教授 (60513843)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 内容統合型の外国語学習 / ミュージアム・ラーニング / プロジェクト型学習 / 創造的な思考力 / 視覚と言語の統合的学び / 生涯学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究成果として、ミュージアムの展示物の特徴である視覚的な教育的なリソースの活用という「視覚情報の学び」と、そのリソースの背景や本質について言語的に理解し、コミュニケーション活動を行う「言語の学び」の統合的な学びの効果が確認できた。2023年度は、この統合的な学びをテーマとしてさらに統合的な英語教育に関連する発展的な研究を行なった。具体的には、英語学習と異文化理解教育の統合的な教材として、英語絵本を開発し、6つの大学の教員養成課程で活用し、その効果を検証した。さらに小学校での実際の教育活動を検証するために、その絵本をイタリアと日本の小学校間で国際な協同学習に活用した。また、高校段階での教育効果を検証するための研究も行なった。これは、広島の平和記念資料館に依頼された高校での絵画創作活動と外国語学習との関連に関して聞き取り調査を行うとともに、絵画創作活動に従事した高校生による英語での発信活動を設定し、その学習効果を検証した。 日本とイタリアの小学校間での絵本を用いた実践では,科研費を活用して開発した英語絵本を活用した。本科研での研究成果を踏まえて,絵本という表現メディアが,その物語が持つ言語情報と挿絵の視覚情報が効果的に組み合わされ,児童の興味や関心,特に感情に訴える方法で,効果的な文化の学びの可能性をもつと考えた。 高校では、前年度に引き続き、広島市立基町高等学校(普通科創造表現コース)の調査を行なった。同コースにおける「原爆の絵」作成のプロジェクトは、広島平和記念資料館の依頼により、この創作活動に賛同する学生が、被爆者の証言をもとに、原爆の絵を作成するという活動となっている。この創作活動は、広島平和記念資料館の被爆者の証言の伝承活動と連動している。2023年度では、調査対象の高校生の創作活動に連動して、英語ギャラリートークを行い、その統合的な学習活動の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主要な課題として、各種のミュージアムのリソースを学校現場に活用して、外国語学習の充実を図ることを目指している。特に2022年度の後半から、COVIT-19の感染状況が改善し、各種のミュージアムの教育リソース調査と学校の外国語学習の連携活動について、実際に訪問による聞き取り調査が、概ね予定通りに実施できるようになった。そのため、イタリアと日本の小学校の協同学習プロジェクトの実践研究では、概要で述べたように、両校の協同学習プロジェクトを成功裡に実践することができた。特に英語絵本の体験的な学習活動が、児童の異文化間能力を促進することを確認することができた。また、広島の高校生の聞き取り調査、および学習の状況調査でも、ほぼ1年間にわたる調査を継続し、さらに発展な英語によるギャラリートーク活動とその評価活動として、研究を発展することができた。 これらの研究成果として、ミュージアムの教育的なリソースの特徴である「視覚情報の学び」と「言語の学び」を効果的に組み合わせる学びが、学習者の創造的な思考力を促進し、英語学習を含む全体的な学習への態度や意欲向上につながる状況を確認できている。今年度の研究調査で、特に注目すべき課題として浮かび上がった要素が、学習者の創造性と自律性である。 本研究の調査対象(小学生と高校生)の大多数が、創造的なアプローチで,それまで学んだ知識や技能を統合的にまとめる学習活動が,言語(英語)と文化の学びの自律性につながる可能性が認められた。これは、学習者が学んだ情報を無批判に取り込むのではなく,学習者自身の経験に照らし合わせて再編成をすることで,その学習を学習者自身にとって価値のあるものとして、認識できるからではないだろうか。研究の最終年度として、この学習者の創造的な思考力の促進という観点に特に注目したい。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、本研究の最終年度となる。そこで、研究のまとめとして、これまでの研究成果をまとめ、その成果を関連の学会発表や研究誌への論文投稿を行う。その際に得られる参加者の意見や論文への反応を参考に、本研究の全体的な報告書を作成する予定である。 小学校の研究課題では、2023年度の英語絵本の成果をもとに、より広範な学習成果を検証するために、異文化理解の学びの発展的な促進を目的とした英語の絵本教材を出版し、そのワークショップを実施する予定である。ワークショップでは、絵本の絵画表現の視覚情報と物語の言語情報の統合的な体験的な活動を設定し、その効果を検証する。 高校段階の研究課題では、広島市立基町高校の「原爆の絵」作成のプロジェクトに携わっている高校生の学習成果を検証する。この高校生の学習成果として、広島平和資料館との連携的な教育活動が、所属する高校での絵画表現の学びや英語学習への促進要素となっていることが確認できている。特に広島という平和文化の象徴性が、「原爆の絵」作成の教育的なプロジェクトに大きく影響している。それはこの地域が持つ歴史的な特殊性の価値が国際的な価値を持ち、この地域の平和文化の発信言語として、英語コミュニケーションの重要性が増していることにも連動している。広島平和資料館というミュージアムが有する平和文化への国際的な発信活動についても分析を行い、高校段階の研究課題としてまとめる予定である。 小学校段階と高校段階の両方の英語学習を含む統合的な教育活動について共通している重要な要素は、創造的な思考力という観点である。この要素は英語学習という外国語学習の自律性を高め、生涯学習という継続的な学習へとつがなる要素があり、最終年度では集中的な分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で学校やその他の教育施設の訪問調査が先送りされたため、さらに研究発表のための学会がオンラインでの開催もあり、出張旅費や調査研究の成果をまとめる経費の支出予定が繰り越された。
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Remarks |
Through the medium of a picture book developed by the research, the children of both countries were able to develop from the familiar subject of food culture and recognize as global citizens.
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