2021 Fiscal Year Research-status Report
動詞の多義構造と類義語の分布に関する入力情報の波及と第二言語知識の創発
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19K00810
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
松村 昌紀 名城大学, 理工学部, 教授 (60275112)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多義語 / 知識拡張 / ネットワーク / 創発 |
Outline of Annual Research Achievements |
くろしお出版より刊行予定(2022年)の書籍に収録される原稿「多義語の意味構造とその習得─━第二言語知識の創発的特性を視野に入れて」において、今回の研究の言語的なターゲットである多義語の語義に関する認知言語学分野の先行研究を概観し、同時にネットワークとしての多義の構造を議論した。また、授業のオンライン化による中断のため計画どおりに進めることができなかったが、2021年度に実施した多義語に関する実験で得られたデータの一部を分析し、学術誌Second Languageに掲載予定(2022年)の論文の中に含めて報告した。その論文では、知識相互の関係性を探求していくことが言語能力の創発性に対する1つのアプローチになり得るとの認識のもとに、過去に行われた第二言語習得研究の中から知識の転移/波及を扱ったものを概観し、今回の研究をその文脈の中に位置づけた。そして言語システムを複雑なネットワークとして捉えたうえで、局所的な変化が全体の再構築につながる様相を明らかにしていくことが今後の研究課題になることを指摘している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に続いて授業がオンライン化される時期があり、授業における学習を兼ねて実施していた多義に関する実験を十全に完了することができなかった。類義語に関する実験に入ることもできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、当初の研究目的の達成を目指すこととした。多義語と類義語の両方をカバーする実験デザインにより、語内および語間での知識の拡張を同時に分析することができるかもしれないとの着想を得たため、年度中のできるかぎり早い時期に実験の準備を整え、実施することとしたい。
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Causes of Carryover |
学会がオンライン化されたため旅費等の支出が発生しなかった。繰り越した経費は令和4年度の国外・国内出張旅費、および実験の実施経費として使用する。
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Research Products
(3 results)