2019 Fiscal Year Research-status Report
認知言語学における言語習得原理を応用した小学校英語教材の開発・使用・検証研究
Project/Area Number |
19K00814
|
Research Institution | Kansai Gaidai College |
Principal Investigator |
中野 研一郎 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (10780405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 愛子 帝塚山大学, 教育学部, 准教授 (50821526)
山梨 正明 関西外国語大学, 国際文化研究所, 教授 (80107086)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 小学校英語教育 / ICT / AI / 身体性 / コンピュータ / 認知言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
「認知言語学における言語習得原理を応用した小学校英語教材の開発・使用・検証研究」においては、研究者代表中野研一郎が作成した外国語習得プロセスを具体化したスクリプトに沿って、東京のIT企業ferixにより「外国語学習オムニシステム」としてコンピュータ・プログラムが開発・構築された。現在、そのプログラムは、https://foreign-language-omni-system.web.app/として、ウェブ上で無料公開されている。ただし、助成していただいている費用では、研究者代表中野が作成した外国語習得プロセス・スクリプトの3/12までしかプログラム化することが叶っておらず、また、このプログラムを用いての外国語学習の効果の検証は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、小学生に使用説明会が行えない状況から中断されている。本「外国語学習オムニシステム」は、PCにAI機能を持たせることにより、小学生から大学生までの学習をPC上のチューターによってサポートさせる「AIアシスト・オムニ学習システム」の中核をなすものとして位置付けられ、当学際研究プロジェクトを発展させた「AIアシスト・オムニ学習システム」の導入が、研究者代表の中野の勤務校において検討されている。「AIアシスト・オムニ学習システム」の開発・構築は、都市部または地方での生活及び親の経済力の違いに関係なく、学習者に高水準の教育を提供することを目的にしており、現在の日本における教育格差問題の解決に向けたものである。その「AIアシスト・オムニ学習システム」において、当学際研究プロジェクトにより開発・構築される「外国語学習オムニシステム」は、システムの中核に位置付けられる意義を持つ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2019年度においては、外国語習得における身体性の観点を組み込むものとして、外国語習得プロセスをスクリプトとして具体化した。さらに、そのスクリプトに沿って、学習者が身体活動を通して「意味」と「形式」の関係を直接得られるた学習システムとして、「外国語学習オムニシステム」のプロトタイプを作成した。本来この段階は、本学際研究プロジェクトの3年目に当たるものであったが、現在の日本の小学校英語教育の状況を鑑みて、前倒しで行った。このことから当初の計画以上に進展しているという評価を選択している。
|
Strategy for Future Research Activity |
前述に、研究代表中野が作成したスクリプトに沿って、学習者が身体活動を通して「意味」と「形式」の関係を直接得られる学習システムとして、「外国語学習オムニシステム」のプロトタイプを作成したと書いたが、年度末の新型コロナウィルスの感染拡大により、当システムを用いることによる学習効果の検証と、学習者の脳内の賦活状況を見る事での脳科学的検証は、中断状態にある。前述において、当学際研究プロジェクトは当初の計画以上に進展しているという評価を選択しているが、スクリプトの全量のプログラム化が予算的に望めないことと、新型コロナウィルスの感染拡大の影響がどこまで続くのかが読めないところから、今後の研究の推進方策を立てるのは難しい状況にある。ただし現在、大学に導入を提言している「AIアシスト・オムニ学習システム」が採択されることになれば、そこで確保できる利潤により、「外国語学習オムニシステム」の開発・構築・検証活動が続けられるものと考える。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が600円生じてますが、これは消費税計算等に含み切れなかった分です。次年度使用分において、消耗品代等に該当させることを考えています。
|
Remarks |
「認知言語学における言語習得理論を応用した小学校英語教材の開発・使用・検証研究」における知見を、コンピュータ・プログラムとして具現化したもの。本研究における検証活動は、本プログラムの使用による学習効果が外国語教育分野及び脳科学分野で測定されることによりなされることになっている。
|
Research Products
(1 results)