2019 Fiscal Year Research-status Report
優れた英語授業実践のオンライン映像アーカイブの作成
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19K00822
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
猫田 英伸 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (80452598)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英語授業 / 実践事例アーカイブ / 教員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、優れた英語授業実践のオンライン映像アーカイブの作成を目指す本研究課題の初年度であった。そこでまずは、さまざまな教育段階・学習段階における「優れた英語授業実践」の事例イメージを形成することを目指し、幅広い教育段階でそれぞれ近年特に重要となっている教育課題について実践研究を行った。それらは具体的には、以下の三つの研究としてまとめられる。 1.小学校・中学校段階にかけての文字と音の指導のあり方:英語の読み書きに困難さを抱える学習者の早期発見のためのアセスメントの開発を通して 2.中学校・高等学校初期段階でのスピーキング指導のあり方:投げ込み教材を使用した短期的指導と教科書をベースとした1学期単位の中期的指導の効果検証 3.高等学校・大学段階におけるまとまりのある英語を聴きながらのノート・テイキング指導のあり方:L1、L2にまたがる一般的言語力を育成することの可能性の検討
上記のいずれも教師の指導意図と学習者から得られたデータ(質問紙やテスト)を突き合わせながら検討した研究である。これらの一連の研究を通して、ある英語授業実践が学習者集団全体の英語力の上昇には大きく寄与しているという点で優れていたとしてもすべての学習者に同様かつ同程度の効果が見られるわけではないため、(学習段階にかかわらず)さまざまな学習者(主にその時点での英語力)に応じた多様な「優れた英語授業実践」を想定する必要があることが改めて確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の基礎研究を行いながら、開発を予定している「オンラインで視聴できる英語授業実践映像アーカイブ」の作成に向けて具体的な仕様の検討を進めてきている。研究の今後の見通しも立ちつつあることから「おおむね順調に進展している」と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度中には英語授業実践アーカイブの仕様を固めるとともに、実際の授業実践映像を幅広く収集する予定であった。しかし、今後のコロナ禍の影響がどの程度長引くかによっては研究の遂行が遅れる可能性がある。まずはこれまでに収集した映像データ等を活用し、可能なところから研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、3月に予定していた出張がコロナ禍の影響で中止となったためである。この使用額は2020年度分の助成金と合わせ、今後、実際のオンラインシステム開発のために使用する見込みである。
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