2022 Fiscal Year Research-status Report
Effects of vervalization of noticing on acquisition of pragmatic routines
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19K00837
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大須賀 直子 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (40514162)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | pragmatic routines / 気づき / 気づきの言語化 / 明示的な語用論指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はこれまでおこなった実験を発表や論文にまとめることに注力した。まず、最初におこなった「気づきの言語化がpragmatic routinesの習得に与える影響」を確かめるための実験について、発表形式にまとめ、2022年6月に 9th International Conference on Intercultural Pragmatics and Communication INPRA 2022で発表した(コロナ禍のため、オンライン発表)。この実験では、12名の実験参加者に、16の場面から成るDCTsに英語で口頭回答してもらい、その後英語母語話者の回答と比べてどういう点に気づいたかを筆記してもらった。その後、1週間以内、1カ月後に同じDCTsに回答してもらい、短期的、中期的に、対象とした17のpragmatic routinesの産出がどう変わるかを検証した。結果としては、検証した計204の事例のうち61(約30%)の事例で対象のpragmatic routineが新しく産出されたが、100(約50%)の事例では一度も対象のpragmatic routineが産出されなかった。留学の経験が与える影響(Osuka, 2017)に比べると、気づきのアクティビティはpragmatic routinesの習得に一定の効果があることがわかった。また、対象のpragmatic routineについて気づきを書いた(言語化した)にも関わらずそのpragmatic routineが産出されなかった事例、気づきを書かなかったのに産出された事例なども多く見られ、気づきの言語化の影響については、さらなる調査が必要なことが示唆された。この実験の結果は、明治大学国際日本学研究第15巻(2023)において、論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で、データ収集のタイミングがかなり遅れてしまい、さらに発表の機会が限定されてしまったため、研究の進捗状況に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、パイロットスタディの結果を基に改良を加えておこなった本実験について、その分析結果をまとめて国際学会で発表したり、論文を国際ジャーナルに投稿する予定である。まずは、2023年7月に開催される国際語用論学会(IPrA)で研究発表することが決定している。論文については現在執筆中であり、2023年中には完成させて投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度に国際学会に参加して発表を行ったり、同分野の研究者と交流して情報収集をする予定だったが、コロナ禍のため活動が制限されてしまった。2023年度は、積極的に国際学会で発表したり、海外の研究者と交流をおこない、研究の精度を高めて、最終的に質の高い論文に仕上げたいと考えている。
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Research Products
(2 results)