2021 Fiscal Year Research-status Report
Develpment of Learning Material for Practical English Education
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19K00841
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Research Institution | Maebashi Kyoai Gakuen College |
Principal Investigator |
長尾 ひろみ 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 客員教授 (70289049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 三恵 摂南大学, 教育イノベーションセンター, 教授 (50280178)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 言語運用能力 / 効果的な英語教授法 / 論理的な思考 / 通訳・翻訳トレーニング法 / Theory of Knowledge / 学力の三要素(思考力・判断力・表現力) |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は日本語を母語とする学習者の効果的な学習方法を、通訳・翻訳トレーニング技法を用いて開発するものである。研究を開始した時点では共愛学園の高校生を被験者として学習法を検証する予定であったが、残念ながら、ほぼ2年間は共愛学園のみならず日本全体がオンライン授業に切り替わり、対面による言語運用能力の検証が不可能となってしまった。そこで、被験者が少人数にはなったが、研究代表者が運営している瀬戸内グローバルアカデミーの学生を被験者とした。 教材には、日本語と英語の両言語で思考(理解)しなければならない内容としてRacheal Carsonの“Silent Spring”を選んだ。音声教材も存在することから、翻訳・通訳の手法が使える。 当初は、耳から音声を入れる通訳(同時通訳)技法を先に用い、その後、翻訳技法を用いて日本語理解をチェックすることを試みようと計画していたが、翻訳技法のトレーニングを先行させる順番に変えた。内容が専門的になると、日本語、英語に関係なくインプットされる言語をイメージ化することがとても困難であることが、予測していたように判明した。同時に、Racheal Carson の“Silent Spring”は、本研究の材料としては最適であると考えている。地球の環境破壊を化学物質に起因するという論を様々な領域における事例を示して訴えており、センテンスが長く、文法解析ができなければ読めない文章だからである。 被験者は英語を読み理解したこと(翻訳に近い)を日本語に変換する際に、日本語力がないと理解できていないことが露呈する。本研究の焦点はこの点であり、英語の単語は分かっても言語運用能力がなければ母語でも理解できない。 現在は、問題の根底を探り、何を解決すれば文を論理的に整理し理解できるのかを究明し、学習者が改善できる教材を構築するための分析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
要因は大きく2つある。第一に、コロナ禍において、本研究の被験者を変更せざるを得なかったことである。日本の研究協力校(高校)で量的なデーターを得る予定であったが、授業自体がオンライン化されると同時に、研究協力校自体にも余裕がなくなり、本研究への対応が難しくなったからである。第二に、研究協力者のいるアメリカの大学で、英語と他の言語の教授法との比較をする準備を行っていたが、コロナ禍のため海外に出ることも海外から研究協力者を招聘することもきなくなった。 感染状況の回復を期待しながら、現在は国内でのできる限りの研究を行っており、状況を見ながらアメリカに出向き、最終のまとめをしたいと考えている。「英語学習の向上は母語(日本語)の運用能力と関係している」ということと、「通訳・翻訳トレーニング法を用いて両言語運用能力を向上させる」という解決法が普遍的な理論であり、英語母語者にも適応できることを立証するため海外で最後のまとめをしたいという希望が叶うことを待っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの被験者との実験データーをまとめ、教材を完成させる。論理的に英文と日本語を解析するため、また理解するためには、十分な文法知識が必要であることが立証された。これはいわゆるTOK(論理的構築整理)が、日本の英語学習者に欠落している事であることを立証する。 文を目て見て分析し、意味を判断し、ターゲット言語に書いて置き換えるという手段、すなわち翻訳と聴いた音声を記憶の中でイメージ化し、そのイメージをターゲット言語に表現し直すという手法、すなわち通訳は全く異なるトレーニング法であり、学習者の脳の動きも異なることから、翻訳と通訳の二つを分ける訓練法(学習法)を構築し、教材を作成したいと思っている。
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Causes of Carryover |
コロナの為に一年研究機関を延長したため、ほぼそのままの金額が翌年のに繰り越されている。助成金の使用目的は、コロナの状況にもよるが、可能であれば連携大学との比較研究のために海外出張を計画している。
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