2019 Fiscal Year Research-status Report
小学校英語教育に関する科学的根拠生成のためのアウトカム指標の文献研究
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19K00847
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
酒井 英樹 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (00334699)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小学校外国語教育 / アウトカム指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小学校外国語教育に関する研究や調査を収集し、そこで用いられている児童の外国語によるコミュニケーション能力の測定方法を考察・整理し、小学校外国語教育に関する教育的政策に参考となるアウトカム指標を提案することである。初年度である2019年度は、次の2点を行った。第1に、小学校外国語教育の変遷(英語活動、外国語活動、外国語活動・外国語科)を整理し、各時期に行われた研究と、各時期の小学校外国語教育の成果を検証した研究を収集し分析した。その結果、主として、教員に対する意識調査、中学生を対象にした意識調査、英語力調査(話すこと、聞くこと、書くこと(文字)、読むこと(文字)、語彙力)、英語の記憶容量テストなどにより、小学校外国語教育の成果検証が行われていることがわかった。第2に、「学びに向かう力、人間性等」に焦点を当てて、小学生を対象にした英語教育学や第二言語習得などの研究や調査を収集し、文献調査を行った。当該研究が、学力の要素の一つである「学びに向かう力、人間性等」やこれに対応する評価の観点(「主体的に学習に取り組む態度」や「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」)に言及しているかどうか、構成概念及びその理論的定義を提示しているかどうか、どのような測定具が用いられているかなどの点から分析を行った。『日本児童英語教育学会(JASTEC)研究紀要』、『小学校英語教育学会誌 (JES Journal)』、『全国英語教育学会紀要 (ARELE)』、JALT Journal(全国語学教育学会)、Language Education & Technology などの研究誌から、小学校外国語教育が導入された2000年前後から現在に至る時期に注目して、論文を収集した。2019年度においては、『日本児童英語教育学会 (JASTEC) 研究紀要』の論文37編の分析が終わっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、「学びに向かう力、人間性等」に関する文献収集と分析を終了させる計画であった。文献収集については実施した。しかし、分析については『日本児童英語教育学会 (JASTEC) 研究紀要』の論文37編の分析が終わっているが、他の研究誌から収集した論文の分析が未終了となっている。このことから、「やや遅れている。」と判断した。 なお、遅れが生じた理由としては、学力の個別要素(2019年度は「学びに向かう力、人間性等」に焦点を当てる)の分析に入る前に、小学校外国語教育に関する研究の全体像をつかむために、小学校外国語教育の変遷(英語活動、外国語活動、外国語活動・外国語科)を整理し、各時期に行われた研究と、各時期の小学校外国語教育の成果を検証した研究を収集し分析を行ったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、「学びに向かう力、人間性等」の点からの分析を終了させ、アウトカム指標の提案を論文としてまとめ投稿する予定である。また、「知識及び技能」の点からの分析に着手する予定である。
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