2019 Fiscal Year Research-status Report
プロソディシャドーイングが統語処理の自動化に及ぼす影響
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19K00855
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
中西 弘 東北学院大学, 文学部, 教授 (10582918)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シャドーイング / コンテンツシャドーイング / プロソディシャドーイング / 統語処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人英語学習者を対象に、様々な処理側面(音声・統語・意味・語用論)に注意を向けてシャドーイングのトレーニングを行い、音声知覚・構音速度・産出時のプロソディ(ピッチ・インテンシティ幅)に影響がみられるのか調査した。その結果、プロソディシャドーイング同様、特定のコンテンツ(統語・意味・語用論)に注意を向けてシャドーイングを行った際においても、特定の音声処理側面(音声知覚・構音速度)においては向上がみられることを明らにした。特に、第二言語学習者にとって処理負荷の高い統語側面(Nakanishi & Yokokawa,2011)に注意を向けてシャドーイング行った場合においても、一定の効果がみられた。 この研究結果を論文にまとめ、Journal of the Japan Society for Speech Sciencesに投稿し、採択された。Nakanishi, H. (2020) Effects of Content Shadowing Training for Japanese EFL Learners on Sound Perception Skills, Realization of Prosody, and Articulation Rates, Journal of the Japan Society for Speech Sciences,21, pp.39-60. 次の実験では、上記の枠組みを利用して、統語・意味・語用論に注意を向けたコンテンツシャドーイングが、リスニング理解度・発音の正確性にいかに影響するのか調査をする予定である。また、前回実験でプロソディ側面の向上がみられなかった理由の1つに、トレーニング回数の不足が考えられる。次回の実験では、トレーニング回数を操作して、上記の指標に対する効果を調査する予定であり、現在、その実験文を作成しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1つの実験の計画・実施・結果・考察をまとめたものを論文として公表することが出来、現在のところはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、統語・意味・語用論に注意を向けたコンテンツシャドーイングが、リスニング理解度・発音の正確性にいかに影響するのか調査する。現在作成している実験文の推敲後、大学が再開し、実験が出来る状況が整い次第、大学生60名を対象にデータを収集する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年8月9-14日にオランダで行われるInternational Association of Applied Linguistics (AILA)国際大会の発表(シンポジウム"The Effect of Attentional Direction on Specific Aspects of Language Processing: Japanese EFL Learners and Shadowing Training"における、個人発表"The Effect of Attentional Direction on Specific Aspects of Language Processing: Japanese EFL Learners and Shadowing Training)の採択通知が2019年11月18日に届き、2019年度の予算を2020年度に回す必要があったため。
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Research Products
(2 results)