2021 Fiscal Year Research-status Report
Bridging the Gap between Extensive Reading Materials and Authentic Texts: Expanding the Reader Corpora and Verification of their Effectiveness
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19K00868
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
加野 まきみ 京都産業大学, 文化学部, 教授 (90352492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ゴーベル ピーター 京都産業大学, 文化学部, 教授 (40329925)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リーダーコーパス / Graded Reader / Youth Reader / Easy Reader for Adults / Authentic Text |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,英語学習者が多読学習用リーダー (Graded Reader, GR) などの学習者用の読み物から英語母語話者向けの一般書や研究に必要な学術書 Authentic Text (AT) が読めるレベルになるまでの架け橋になるような資料の発掘やそれを用いた指導法の確立である.今年度は,昨年度に引き続きAntConc, AntWordProfiler,Text Inspectorなどの分析ツールや,BNC,COCAなどの汎用コーパス,またBNC wordlist, The BNC/COCA word family lists, general service list, academic word list, COCA ngram listなどの語彙表を使用し,学習者が読んだリーダーのデータの分析を行った.また昨年度までに作成した,文章を読んだ被験者の理解度を測る質問や事後アンケートに修正を加えてオンラインで実施できるように対応し,少人数の学習者を対象に理解度テスト・アンケートを行い,実際にどの要素が理解を妨げているのかを分析し,テストへさらに修正を加えた.多読学習に他に組み込む可能性のあるリーダー・シリーズとして,成人向け再教育用図書,有名作家による子供のための小説などの種類を検討した結果,Easy Reader for Adultsシリーズのデータの収集を開始し,分析語彙や文法表現の分析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実証的アプローチの調査を進める予定であったが,学習者と対面して実証的な調査を行うことができなかった. また,出版社とのデーター提供・使用の協議などが思うように進まず,多読学習に他に組み込む可能性のあるリーダー・シリーズとして検討している成人向け再教育用図書(Easy Reade for Adultsなどのシリーズ)の入手が遅れ,十分なデータ収集が出来ていない.
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Strategy for Future Research Activity |
現在検討しているそれぞれのリーダーシリーズを早急に入手し,Graded Reader, Youth Readerと同じ方法で読み込み,それぞれをリーダーコーパスとしてデータベースに追加する.各種リーダーコーパスのそれぞれの言語的特徴を明らかにし,多読学習への有効性を判断する.分析にはText Inspectorを用いることで,これまでの語彙表による分析だけではなく,Lexical DiversityやMetadiscourse Markerなど数多くの指標による分析も行うことが可能となる.また,実証的アプローチの調査を学習者200人対象に実施する体制を整え,実施する.様々なツールを利用して,Authentic Text (AT) の「難しさ」の要因を明らかにするために行った調査の結果を元に,学生の「難しさ」認識に繋がった可能性があると判断された文法項目,文の構造,表現などを,意図的に操作した文章を作成しこれらのデータを分析し,その結果を踏まえて,多読学習ではGRに加えて,どのレベルで,どのようなリーダーがあれば,「難しさ」の克服に繋がり,さらには英語母語話者用の一般書や学術書 (AT) への架け橋になるのか,提案をする.研究の成果は広く国内外の学会で発表,論文を出版する.
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Causes of Carryover |
データ収集・分析のためのパソコンを今年度購入予定だったが,必要な機器が使用できることになったため,当助成金での購入の必要がなかった.また,今年度発表予定であった国際学会が中止・延期・オンライン開催となり,旅費の支出がなかったため,繰越金が生じた.繰越金は,次年度の国内・国際・オンライン学会の参加費,データ処理を迅速に行うための人件費に充てる予定である.
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