2020 Fiscal Year Research-status Report
基礎的読解能力と英文読解指導の関連性の研究及び学習支援への展開
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19K00872
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
関根 健雄 小山工業高等専門学校, 一般科, 講師 (00709769)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 読解力 / 英語教育 / 英語アセスメントテスト / リーディングスキルテスト / リメディアル教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語の基礎読解力の指標としての「リーディングスキルテスト」(RST)を,8月には3年生3クラス(111名)と2年生1クラス(40名)の151名,1月は3年生5クラスの178名に対して実施した。これによって3年生の日本語の読解力の変容,RSTの結果と英語到達度試験としてのTOEIC-IPと英語授業の成績等との相関関係を分析することができた。2年生のRSTの結果については2021年度に当該学生たちが3年生に進級した際に比較するデータとして保管している。これらRST,TOEIC-IPの結果を,2019年度以前とのデータとの比較・分析を行いこれまでの研究成果や授業改善の効果を検証しながら,2021年度の研究につなげることができた。 また,学生の英語学習に対する意識や実態の調査も実施した。調査方法をデジタル化したことに加え,内容・質問項目なども見直しを行い,より詳しい実態調査を行うことができた。これらの結果を前述のTOEICなどの英語アセスメントの結果やRSTの結果などと関連付けて検証を行い,学生の傾向や学習状況,意欲等との関連性について分析を行っている。 学習支援の観点からは,新型コロナウイルスの影響もあり,当初予定していたような研究データ・分析をもとにした学習支援の取り組みは不十分であった。 学習支援同様,新型コロナウイルスの影響によって発表・参加を予定していた学会の多くが中止になるなど,学会発表等は十分に実施できたとは言えないので,これまでの結果を検証し,2021年度の発表や論文作成に向けて準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の研究計画2年目として,昨年度に引き続き本校3年生のほぼ全員に対してリーディングスキルテストを実施できたこと,英語学習についての意識・実態調査を実施することができた。これらのデータと,英語アセスメントテストの指標としてのTOEICーIPの結果と照らし合わせ,分析を行うことができている。これまで,本科研費の助成を受ける以前のデータとも併せて,多くのデータを収集することができた。2021年度は,これらのデータを比較・分析するとともに,助成の最終年度として成果をまとめる作業につながるものである。 学習支援の観点からは,本校におけるデジタル化が進み,授業改善アンケート等の個々の学生の実態把握の充実が図れたこと,その実態と成績等との関連付けができるデータを収集できたことは大きな成果である。新型コロナウイルス感染拡大の影響により,授業改善や対面での学習支援には支障をきたしているものの,デジタル化によって,オンラインで個別対応ができるようになった一面もある。研究成果の発表等については満足いくものではないが,オンラインでの学会参加等を増やし,最終年度につなげていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,これまでの2年間と同様,リーディングスキルテストを3年生全員を対象に実施し,英語アセスメントテストの結果,アンケート等による学生の実態調査のデータを収集・分析するとともに,過去のデータと統計的に分析を行う予定である。さらに,これまでの調査・研究結果を元に授業改善・学習支援の手法を模索し,成績や学習についての意識・学習習慣などの学生の変容について調査を行う。2020年度は新型コロナウイルスの感染状況によって様々な制約があったが,2021年度もその懸念は払拭できない。対面での学習支援や小山高専における学習支援室の中での実践を視野に入れていたが,オンラインや他の方法等を検討する必要を感じている。 研究の最終年度である本年度は,昨年度満足に行えなかった学会発表や論文の作成を行う予定である。多くのデータを収集することができた一方で,それらの分析が課題となっている。研究成果のまとめ,発表にあたっては,統計的手法を取り入れてるための準備を行っている。統計ソフトの使用とその適切かつ円滑な活用が課題である。研究データの適切な管理・運用にも注意を払う必要がある。同時に,個々の学生へのインタビューなども実施したい。ただし,これは学生の承諾や実施形態,新型コロナウイルスの状況にもよることが懸念事項である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により,予定していた学会の多くが中止となったこと,また,参加した学会もオンラインだったため,旅費が発生しなかったことで予定していた予算を使用しなかった。また,学習支援を一つの課題としているが,オンライン授業や対面による学習支援が制限されたことも次年度使用分が発生した一因である。 今後の使用計画としては,2021年度は最終年度にあたるため,研究成果の発表,まとめ,論文執筆などを行う予定であり,その学会参加費や資料,旅費,投稿料や校正費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)