2021 Fiscal Year Research-status Report
語彙知識の構造化を促進するウェブ教材の完成とネイティブ度診断テストの開発
Project/Area Number |
19K00912
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
折田 充 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (60270386)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村里 泰昭 熊本大学, 大学教育統括管理運営機構, 教授 (90229980)
小林 景 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90465922)
吉井 誠 熊本県立大学, 文学部, 教授 (70240231)
R・S Lavin 熊本県立大学, 文学部, 教授 (70347699)
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
神本 忠光 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20152861)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 英単語 / メンタルレキシコン / 自律型語彙学習プログラム / ネイティブ度診断テスト / オンライン学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、英語母語話者の心内辞書 (Mental Lexicon: ML) 構造を念頭に、学習者一人ひとりがオンライン自律型語彙学習プログラム Word Cluster Master Program (WCMP) による学習に入る前に、自らのML構造のネイティブ度を診断し学習の動機づけにつなげる「ネイティブ度診断テスト」(プロジェクト2年目に開発終了)の効果検証のための実証研究2つに取り組んだ。まず、2021年度前学期に、本プロジェクト参加者(研究代表及び分担研究者)の2つの大学において、「名詞12ユニット版」を使い、学習前に「診断テスト」を受験し結果(「ネイティブ度」)を直後に得点やレーダーチャートによって確認させた(ただし、「正解」の提示はなし)。診断テストのスコアは、①総合スコア(再現率と適合率の調和平均として計算される「F1スコア」と呼ばれる値)、②再現率(=各コア語に対して意味が近い単語群の中で、実際にコア語と同じグループに分類された単語の割合(%))、③適合率(=各コア語と同じグループに分類した単語群の中で実際に意味がコア語と近い単語の割合(%))で構成される仕様とした。なお、「名詞12ユニット版」のために、「診断テスト」は全50セット(各セットは6語の学習クラスター)から、4セット24語を選び、意味のまとまりでグループ分けする単語仕分け課題とした。「事前」として実施した診断テストでは、名詞、形容詞、動詞の3つの品詞についてネイティブ度を測定し、その結果解析を1つの大学について終了した。そして、①上位群の方が群デンドログラムに近い構造を持っていること、②上位群の方がWordNetに基づくML構造に近いが、独自の構造も存在すること、③ML構造の表象は個人差が大きいことを明らかにできた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
WCMPの3つの版について予定していたfull-scale版(=12ユニット、合計50サブユニット)の開発を完了できた。「ネイティブ度診断テスト」について、予定していた名詞版、形容詞版、動詞版の開発を終了し、うち名詞版と形容詞版については実証研究を実施できた。動詞版の実証研究は未終了となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
「WCMP完成版+ネイティブ度診断テストfull scale版」の実証研究のうち、未終了の動詞版を繰越した4年目に実施する。併せて、統合化された自律型オンライン語彙学習システムとしての「WCMP完成版+ネイティブ度診断テストfull scale版」の今後の研究展望を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で予定していた実証研究が実施できず、学会発表や研究打ち合わせ(対面によるもの、また出張を伴うもの)が行えなかった。次年度は、今年度に実施できなかった実証研究などを行う。
|
Research Products
(4 results)