2019 Fiscal Year Research-status Report
日・中・韓三言語の連携による〈学習者が社会とつながる〉言語教育実践ガイドの開発
Project/Area Number |
19K00917
|
Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
澤邉 裕子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40453352)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 正臣 城西国際大学, 国際人文学部, 助教 (30796280)
植村 麻紀子 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (70512383)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 社会 / 言語教育 / 社会文化的アプローチ / 日本語教育 / 中国語教育 / 韓国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、言語教育に携わる人々が参照できる「<学習者が社会とつながる>言語教育実践ガイド」(以下、『ガイド』)を開発することである。本研究は三つの段階を踏まえて行うこととする。第一段階として、「社会」という概念が従来の言語教育においてどのような文脈と意味において用いられてきたのかを明らかにし、「社会文化的アプローチ」が言語教育に浸透し始めた2000年代以降の先行研究をデータとしてデータベース化を行う。それらから日本語・中国語・韓国語の言語教育における〈学習者が社会とつながる〉教育実践の類型化を行う。本年度は第一段階の①「<学習者が社会とつながる>」教育実践のデータベース化と類型化」と、②学習者と社会がつながる教育実践のパイロットスタディを行った。①では、日本語、中国語、韓国語教育の各現場において、教師がどのような「社会」を思い描き、社会とつながる学習活動をデザインしているかについて、教師が作成した授業単原案の分析と教師への聞き取り調査を行った。これらの調査の結果、報告者らは「学習者が社会とつながる」言語教育実践とは、人的なリソース、地域・学校・コミュニティといった社会的リソースとつながりつつ、それらを単なる「リソース」としてのつながりに終わらせず、協働的に関わり合える関係性を築き、新たな多文化共生社会を創造していくことを目指す実践であると述べた(『複言語・多言語教育研究』7号に論考として掲載)。「<学習者が社会とつながる>」教育実践のデータベース化と類型化」については、現在継続中である。また、②に関しては、研究代表者、研究分担者それぞれが日本語・中国語・韓国語教育現場で行ったパイロット的な実践を研究発表や論文として発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「<学習者が社会とつながる>」教育実践のデータベース化と類型化」については、継続的に実施していく必要がある。日・中・韓三言語連携の言語教育プロジェクトを企画している段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度、コロナの影響もあり大学での授業活動に支障が生じているが、可能な範囲で実践を進めていきたい。具体的には、日本語教育と韓国語教育が連携し、社会と学習者がつながる教育プロジェクトの企画と実施を考えている。
|
Causes of Carryover |
2020年3月以降、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、国内外の学会、研究会の開催が中止となった。そのため、出張旅費などが残り、次年度に繰り越しとなった。2020年度は、オンラインのツールを用いた教育活動が中心となる見込みであり、そのためのツールの準備のためにこれらの費用を使用する計画である。
|
Research Products
(11 results)