2019 Fiscal Year Research-status Report
小学校外国語授業コーパス構築と指導法検索ツールの開発:CEFR-Jに準拠して
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19K00924
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Research Institution | Yamazaki University of Animal Nursing |
Principal Investigator |
大橋 由紀子 ヤマザキ動物看護大学, 動物看護学部, 准教授 (40589793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10211393)
片桐 徳昭 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60734829)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小学校英語教育 / コーパス / CEFR-J |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小学校英語授業をコーパス化し、CEFR-Jが提示する到達度を満たす内容であるかを測定後、CEFR-Jに準拠した改善点を表面化し、CEFR-Jにおける基準、Pre-A1からA2レベルの能力到達を満たす指導法を提示することである。令和元年度は、小学校コーパスの規模を拡大すべく、録画した小学校英語授業に付与するタグ開発のためのディスカッションを行った。授業改善点を調査すべく、付与するタグはteacher reflectionの観点から、feedbackに関するタグを増やすことで一致した。タグセットを調整し、小学校英語コーパスを拡大した。続けて、初年度に目標とした研究課題1、CEFR-J wordlistとの比較した教室での語彙使用状況の調査に取り掛かった。コーパスより公立小学校のデータ4クラス分を抽出し、CEFR-J wordlist各レベル(A1, A2, B1, B2)に含まれる語彙の使用率を調査したところ、小学校での使用を提唱されているA1レベルに含まれる語彙は、すべてのクラスで15%以下という状況であった(Class A: 12.1%, Class B: 12.6%, Class C: 8.9%, and Class D: 13.6%)。A2レベルではすべてのクラスで5%に満たず、B1,B2レベルに関しては0.4%に満たない数値であった。この調査により、今後授業において積極的に使用されるべきA1レベル語彙が明らかになり、同時に繰り返し使用される傾向にある語彙も示された。研究結果はThe International Academic Forum (iafor) Asian Conference on Language 2020にてOnlineによる口頭発表を行い、現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現段階では研究計画に沿って概ね順調に進んでいる。令和元年度の研究計画では、小学校英語授業において、授業で起こっている全て(発話・活動・やりとり)に詳細に開発した授業分析用アノテーション(タグ)を付与し、XML階層構造での小学校英語授業コーパス拡大化を目指すことであり、コーパス構築に関しては専門家とのディスカッションを実行したことでteacher reflectionの手法を取り入れることが検討され、タグリストの調整が叶った。これにより更なるコーパスの拡大化が可能となり、令和2年度の目標として掲げている定量化したデータを基盤としたクラス間での比較が可能となる。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校英語授業コーパス拡大化を目指したタグリストの開発が進んだことにより、研究課題2として掲げている、教師のインプット・インタラクション・活動内容が学習者の理解度に与える影響の調査およびCEFR-J規定のCan-do descriptorとの照合研究に対する準備が整った。さらに実験的な調査として、課題1の研究を実行したことにより、小学校英語教育の実態としてCEFR-Jに準拠した語彙指導が不足しているという事実が明らかになった。今後詳細なる調査により、小・中連携を考慮した語彙指導の提唱を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は小学校英語授業コーパスを拡大化する代わりに、詳細なタグ開発に専念し、今後大規模なコーパスを構築する上での礎を築くために時間を費やしたため、コーパスツール構築費のために予定されていた経費が次年度以降の出費となったことが影響し、次年度使用額が生じた。 生じた次年度の余剰金は、新年度に予定しているコーパス拡大のための機材購入、および分析調査に要するソフト購入のための費用として支出する。コーパス拡大後、コーパスからの発話抽出開発について株式売社version2と打ち合わせの上、開発費を支出する予定である。成果発表のための学会参加費用も併せて算出する予定である。
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Research Products
(1 results)