2022 Fiscal Year Research-status Report
多聴を併用した英語多読指導-アクションリサーチによる分析
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19K00929
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
吉田 弘子 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (50449857)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多読 / 多聴 / アクションリサーチ / オンライン多読多聴 / e-book |
Outline of Annual Research Achievements |
研究4年目の2022 年度(令和4年)もコロナの影響により研究計画が制限された。大学の英語授業のほとんどは対面実施となり、図書館は通常通り開館されて多読授業を行う上での制限はほとんどなくなった。しかし、授業を受講する学生にとっては多読を授業外で実践するには厳しい状況が続いた。研究代表者の実施する多読授業は一種の反転授業で学生は指定された目標語数と冊数を目指して授業外で多読を実施し、その多読記録について授業内でフィードバックを受け、次の授業までに授業外で更に多読本を読む形式で実施している。しかし、2022年度も学生が受講する多くの科目は課題提出型のオンデマンド授業で実施されたため、学生は毎週各種のレポートに追われ、多読に費やす時間を十分に取ることができなかった。また、オンデマンド授業のために学生が大学に来る機会は大幅に減り、必然的に図書館で多読本にふれる機会が減少した。そこで、当初の研究計画を変更し学生の負担に配慮して、多読の目標語数を減らして、個別により丁寧な多読のフィードバックを返し着実に学生の多読が進むようにした。また、図書館に来なくても多読が続けられるようにオンラインでのe-Bookも図書館の多読本と併用できるようにした。一年間の講義の最初と最後にEPER テストを実施した結果、期末の学生のスコアが有意に上昇しており、オンラインと図書館の本を併用した多読がリーディングの伸びに効果があったことが示唆された。しかし、同時にe-bookに対しての学生の評価は従来の多読本に比べて高くなく、e-bookを利用した多読活用には課題を残した。一方、研究代表者はオンラインで開催された大学英語教育会(JACET)及び日本多読学会(JERA)において研究結果を発表し、大阪経大論集に多読多聴指導方法についての手引きを投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
4年目の研究は英語授業で多読多聴を対面で実施できた。しかし、コロナでオンライン授業が続いた学生を取り巻く状況は多読・多聴に大きな制約をもたらして十分なアクションリサーチが行えなかった。オンライン授業が多い学生は大学に来る機会が大幅に減り、必然的に図書館で多読本にふれる機会が減少した。また、オンデマンド式のオンライン授業で受講する学生の多くは課題に追われ、授業外で多読を実施する十分な時間を取ることができなかった。これらの状況を受けて指導方針を変更し、多読多聴目標を低めに設定して細やかなフィードバックを実施したが、当初の研究計画にあった音声ペンを使用しての多聴と多読の研究については十分な分析ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究5年目の令和5年度は、現在のところ全面的に対面授業が実施できる見込みであり、これまで授業で十分には実施できなかった音声ペンを使用して多聴と多読の研究を積極的に進めていきたい。なお、コロナの状況に応じては再びオンライン多読多聴を中心あるいは併用して展開することも視野に入れている。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により、予定していた対面授業での研究が十分実施できなかった。また、学会もオンラインで開催されたことで当初計画した旅費を使用しなかった。 次年度使用額は1.これまでの授業に改善を加えた対面授業を実施し、データの収集と分析を行う、2.研究課題の経過報告を英語と日本語で積極的に発信する、の2点を遂行するために用いる予定である。また対面で開催されることが決まっている学会に参加する旅費等にも使用する。
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