2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K00968
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
樋口 雄彦 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60342606)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 旗本 / 明治維新 / 戊辰戦争 / 土着 / 知行所 / 伊豆国 / 農兵 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、伊豆国に知行地を有した旗本松下家関係の資料を多数含むことから、静岡県伊豆市における牧之郷飯田家文書の資料調査・整理・目録作成を目的のひとつにしている。ところが、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、同家を訪れての資料調査は、9月と11月の2回だけしか実施できなかった。一方、地元の研究協力者はこれまで通り作業を続けてくれており、静岡県史編さん時の仮整理分の再整理など、資料の整理・目録作成は一定程度進んでいる。研究代表者自身は、現地を頻繁に訪問できなかったため、主に前年度に撮影し、手元で画像を見ることができる資料の解読や考察を進めることに終始した。具体的には、すでに撮影済だった飯田家文書50点余とその他の文書(国立公文書館所蔵・東京都公文書館所蔵・公益社団法人江川文庫所蔵など)を解読し、その内容を読み込むことで、当該の研究テーマを論考としてまとめる際の章立てを構想することができた。現時点では、以下のような構成にできるのではないかと考えいてる。 1 知行所への土着と農兵取り立て(他の地域の旗本との比較を含む) 2 新政府軍への参加と箱根戦争(経過の詳細と他の旗本家との連携など) 3 論功行賞と朝臣としての身分(高知藩の関与と国学者としての飯田守年の行動他) 4 旧采地における記録と記憶(高知での勤王事蹟調査と飯田家での記録化など) 5 史料翻刻(飯田家文書を中心とした関係文書の解読)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は前年度と同様、牧之郷飯田家を訪問しての調査を月1回以上のペースで計画していたものの、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響のため、出張できたのはわずかに9月と11月の2回だけであり、予定通りの調査を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに進めることができなかった牧之郷飯田家での資料整理をできるだけ進めるとともに、目録作成のための入力作業にも取り掛かりたい。また、研究テーマに直接関わる資料の撮影と読み込みを続け、論考としてまとめるための準備を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、資料調査の対象である牧之郷飯田家(静岡県伊豆市)への出張が2回しかできなかったため、想定していた額の旅費を支出するに至らなかった。
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