2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K00984
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
真辺 将之 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80546721)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 市島謙吉 / 市島春城 / 早稲田大学 / 大隈重信 / 新潟 / 立憲改進党 / 東京専門学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は最終年度であることから、早稲田大学図書館所蔵の市島春城文書の総目録の完成を目指して、研究補助者を雇用し、データの入力を進めるとともに、研究代表者が自らチェックする形で、エクセルでの目録整備を進めた。その結果、合計3900点近くにのぼる市島旧蔵資料の目録化を進めることができた。 これと同時に、新潟県立図書館に旧蔵されていた市島春城文書の一部が、同図書館にいまだ残存していることから、同図書館の旧蔵目録をもとに、その後早稲田大学図書館に移管されたものを調べるとともに、新潟県立図書館に出張して残存状況を調べることを行った。この結果、500点近くにわたる新潟県立図書館旧蔵資料の移管状況ならびに現所蔵状況を確認することができた。 以上2つの調査成果をもとに、目録を社会に発信するべく今後準備を進めていきたいと考える。しかしそのためには、目録の分類や、細部のチェックにまだ時間を要する状況となっている。また新潟県の吉田文庫にも市島旧蔵資料が残存しているという情報を得ているが、こちらについては調査を終えることができなかったため、今後の課題としたい。 また、実際に資料の内容について解読を進めるとともに、その有効活用の方法についても検討を行った。特に市島資料の中心をなす、日記と雑筆・雑記類のうち、雑筆・雑記類のなかには、その後随筆の執筆に使用された部分が多く存在することがわかった。またこれら随筆類については、同時代の随筆家・文筆家の随筆との比較検討を通じて、比較随筆研究とでもいうべき利用の方法が可能であることが判明した。この比較のための資料を購入し読み進めることで、その研究の端緒をつけることができたが、しかし内容が膨大であることから、本格的活用は今後継続して進めていくことになるであろう。とはいえそのための基盤は十分に構築することができたと考える。
|