2022 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本地域社会における「公議」の展開過程―郡中議事者を中心に
Project/Area Number |
19K00990
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
三村 昌司 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (40525929)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 公議 / 郡中議事者 / 明治新政府 / 柏崎県 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研の最終年度は、新型コロナウイルス感染症の流行のため前年度に実施できなかった遠方への資料調査を実施した。具体的には、島根県出雲市立平田図書館が所蔵している松江藩公議人の雨森謙三郎に関する史料を含む雨森家文書を調査することができた。雨森は公議所の議案として提出された廃刀論に反対するいわゆる保守派だが、公議所の議案「外国人ニ被雇候者規則案二条」に外国人の政府雇用に反対する意見を追記した史料や、服制改革に対する意見などを確認できた。また、年譜史料では明治元年12月6日の項に公議人が休暇を与えられて一時帰藩したとの記載があり、これはこれまで知られていなかった内容であると思われる。雨森の公議人関係の史料ではないが、戊辰戦争における東北諸藩への戦後処理についての意見書なども確認できた。 調査に加えて、今年度及び前年度までに購入した関連書籍の分析・検討を進めて本研究の研究史上の位置づけを深めた。そして研究成果の発信として、次のような内容の論考を執筆した。すなわち、本科研で深めた「公議」に関する研究成果を、戦前・戦後の明治維新史研究が民主主義をどのようにとらえたかというより広い視野から位置づける論考である。ただしその刊行は、掲載媒体の発行スケジュールの都合などにより、最終年度中にできなかった。しかし、2023年5月に、三村昌司「日本における明治維新期研究は民主主義をどうとらえたか」(『アジア民衆史研究』28号、2023年)というタイトルで掲載された。
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Research Products
(1 results)