2022 Fiscal Year Research-status Report
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19K00991
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
日比野 利信 北九州市立自然史・歴史博物館, 歴史課, 学芸員 (90372234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
季武 嘉也 創価大学, 文学部, 教授 (40179099)
中村 尚史 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60262086)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 石炭資源 / 近代政治 / 中央と地方 / ネットワーク / 北九州・筑豊 / 麻生太吉 / 麻生家文書 / 安川敬一郎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の中心的な対象である麻生家文書(筑豊の炭鉱家で、衆議院議員として政治活動もおこなった麻生太吉と麻生家に伝わった古文書)については、同文書を保管する九州大学附属図書館記録資料館が令和2年度より10年間の計画で本格的な調査を実施している。本研究はこの調査と連動し、絶えず情報を共有しながら進行してきた。 令和4年度は7月にオンラインで研究会を実施し、麻生家文書調査の進行状況を確認したうえで、本研究の現状や今後の方向性について議論をおこなった。また新型コロナウイルス感染症拡大が続くなかでも、8月に研究代表者と研究分担者・協力者の一部が九州大学に集まり、麻生家文書の調査を実施した。参加者各自の関心や主題に応じて史料調査をおこなうとともに、特に日清戦争後の明治28~30年の書簡史料(未整理)に注目することを確認した。それを受けて、研究代表者は当該年代の書簡史料の概要調査を実施し、詳細な調査対象とすべき史料の選定をおこなった。 日清・日露戦間期は第二次企業勃興期に相当し、特に筑豊・北九州地域の産業基盤整備が進行し、北九州工業地帯の形成が始まった時期である。7月の研究会で、研究代表者が史料紹介をおこなった安川敬一郎宛渋沢栄一書簡10通および荘田平五郎書簡10通は全て明治28~30年に集中している。筑豊の炭鉱家と中央の企業家がどのように関わり合いながら、当時のホットスポットであった北九州の産業発展を実現していったのか明らかにするという方向性を改めて認識することができた。さらに研究代表者は明治10~20年代前半に企救郡長の津田維寧や小倉商人の中原嘉左右の関係文書により、産業発展直前の動向を検討している。 関連の史料調査を各地でおこなったが、特に筑豊の石炭―若松港と大阪との密接な関係を検証するため、大阪市での調査に重点を置いている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大によって、移動を伴う史料調査が大きな制約を受けて、十全に実施できなかったことが最大の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はさらに1年延長し、令和5年度で最終年度を迎える。麻生家文書のうち特に明治時代の書簡史料の調査をできるだけ進めるとともに、各自の研究成果を時点集約し、研究成果報告書を作成する。 また本研究を継承・発展する研究を企画し、令和5年度から新たに科研費の助成を受けることになっている。研究の進行状況を適宜確認しつつ、適切なかたちで移行していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う諸制限によって、移動を伴う九州大学での麻生家文書の調査がごく部分的にしか実施できず、予定していた炭鉱跡の現地調査も中止となったことが、多額の次年度使用額が発生した最大の理由である。 研究実施期間をさらに1年延長し、令和5年度が最終年度となる。これから2回共同での史料調査および現地調査の実施を計画している。また研究成果を集約して、報告書を作成する予定である。
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