2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Yulintuce of Huizhou in Ming and Qing Periods
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19K01020
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| Research Institution | Kumamoto University |
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Principal Investigator |
伊藤 正彦 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (50253711)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 魚鱗図冊 / 記載様式 / 地理的空間 / 事産把握 / 現地調査 / 湖州路戸籍 / 小黄冊 / 賦役黄冊 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，①魚鱗図冊の記載様式，②魚鱗図冊の記載情報にもとづく明代の里＝図の地理的空間把握，③魚鱗図冊の事産（所有地）把握内容が変化する具体的なあり方を追究することを通して，魚鱗図冊の新たな性格理解を試みるものである。
しかし，「コロナ禍」は収束したものの，中華人民共和国への渡航困難な状況（長期の滞在ビザは認められず，ビザ発給までに3ケ月以上を要する状況）のために，中華人民共和国での資料閲覧・調査を行なうことはできなかった。
当初の研究計画を実行することはまったくできなかったが，この間，中華人民共和国での資料閲覧・調査の代わりに行なってきた紙背文書の新たな文書資料（元代湖州路戸籍，明初「小黄冊」），洪武丈量で作製された魚鱗図冊に関する分析のとりまとめ，連携研究者との共同研究と意見交換で獲得した知見の整理を行なった。それをふまえて，明代賦役黄冊・魚鱗図冊文書を活用した農村社会（徽州府休寧県27都5図）史研究の成果を学術書の原稿としてまとめ，2024年度内に出版する準備を進めた。これは，明代賦役黄冊・魚鱗図冊文書を活用した農村社会史研究という世界初の成果となるはずである。
また今年度は，研究期間のなかで初めて，中華人民共和国に渡航して学会（第7回“徽州文書与中国史研究”学術研討会）に参加して研究発表し，徽州府の山村（祁門県歴口鎮等）を現地見学するとともに，中国語論文1篇を公表することができた。
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