2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K01024
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
青木 敦 青山学院大学, 文学部, 教授 (90272492)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 宋代 / 法制史 / 勅令格式 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、得られたデータの検証などを行い、中国語論文を作成した(2024年度中に公開予定)。研究機関全体医を通じて、宋代特別法整理の作業を進めた。その結果、『宋会要輯稿』をはじめ、文集類、政書等から相応のデータを見出し、これを発布年月日、編纂者、正式法典名、巻(冊)数、内容について整理した。その結果北宋について約450タイトルが見出され、条文数からすれば、宋代を通じれば約37万と推測するに至った。これはハンムラビ法典、ローマ法典(「学説彙編」を除く)、フランス民法典(ナポレオン法典を含む)を始め、古今東西の法典のなかでももっとも大きな規模である。 この爆発的増加は神宗朝に見られる。王安石神宗改革には、青苗法、市易法、学校関係法などの広く知られているもの以外にも、礼制、相当程度研究の進められている官僚制などの改革があり、さらに法制方面においても大改革があった。これは神宗の元豊2年「敕令格式の新定義」として知られているものであるが、本研究の結果、このような膨大な法典は、この神宗の思想に基づき、煕寧・元豊年間以降に生まれたことであることが明らかになった。なお、付随的に、これまで日本史研究者によって多く行われてきた唐令から宋令へ至る過程を、元豊から徽宗期にかけての変化という面から、より明確にすることができた。
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