2021 Fiscal Year Research-status Report
初期ソコト・カリフ国における知と暴力:ジハードと奴隷制を支える思想の研究
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19K01030
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
苅谷 康太 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70634583)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イスラーム / 西アフリカ / 初期ソコト・カリフ国 / ジハード / 奴隷制 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度もナイジェリアにおけるアラビア語およびハウサ語資料の調査を計画していたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が収まらず、その影響により当該調査を断念せざるを得なかった。しかし、2020年度に引き続き、これまで渉猟・蒐集してきたアラビア語およびハウサ語資料の分析に注力し、研究成果公開のための論文執筆と口頭発表の準備を進めることができた。 アフリカ・イスラーム研究の領野において重要な国際学術雑誌であるIslamic Africaに投稿した論文(初期ソコト・カリフ国の支配層の思想と、15-16世紀のマグリブのイスラーム知識人であるムハンマド・アル=マギーリーの思想との関係を扱った論考)は、現在、最終的な採否を決定するための修正稿提出の段階に進んでおり、2022年度中には採否が決定するものと思われる。また、ソコト・カリフ国の支配者であったウスマーン・ブン・フーディーの著作Siraj al-ikhwanの諸写本を校合し、そのアラビア語テクストを東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所発行の『アジア・アフリカ言語文化研究』(Journal of Asian and African Studies)の資料欄に投稿するための作業を開始した。更に、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で開催された研究会においては、初期ソコト・カリフ国のジハードと奴隷制に関して報告者がこれまで進めてきた研究の全体像を示す口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大により、ナイジェリアでの現地調査を予定通りに実施できていないが、資料の分析と研究成果の公開は着実に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も新型コロナウイルスの感染拡大状況を注視しつつ、ナイジェリアでの資料調査が可能か否かを判断する。また、2022年度は最終年度であるため、研究期間全体を振り返り、検討が不十分だった点や問題点を洗い出すことで、新たな研究課題の設定に向けての準備も開始する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、ナイジェリアでの資料調査を始め、当初予定していた研究活動が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度のナイジェリアでの資料調査費(旅費)もしくは物品費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)