2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research of the Arsacid material at the National Museum of Iran and other places
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19K01038
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
春田 晴郎 東海大学, 文化社会学部, 教授 (90266354)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イラン / パルティア / 鈴木コレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の成果は以下の通りである。 2021年12月には、岩波講座世界歴史シリーズ第3巻の中で論文「西アジアの古代都市」を発表することができた。 また、2022年2月には在日本イラン大使館が主催する国際シンポジウムで"Erasing the Past: Re-engraved Bas-reliefs and Inscriptions during the Parthian Period "を発表し、その中で本研究の主要目的の一つであったイラン国立博物館所蔵アルタバーン4世(アルシャク朝パルティア最後の王)浮彫のフォトグラメトリソフトウェアによる3D画像も示し検討した。右辺および左辺に残るアラム文字断片が、現在の王浮彫によって削られてしまった碑文の残存部分である可能性が高いことを初めて指摘した。 新型コロナの影響で当初予定していた海外における調査は行なえなかったが、その代わりに東海大学文明研究所が所有する鈴木コレクション中のイラン、イラク、湾岸諸国のスライドをデジタル化し、フィールドノートとともに研究している。イランのスライドについては1968年に撮影されたものであることも確定できた。この件での調査の概要を2022年3月の第27回ヘレニズム~イスラーム研究会において発表した。 論文発表にはいたっていないが、2020年度に発表したビーソトゥーンのウォロガセス浮彫に刻まれたパルティア語碑文のフォトグラメトリソフトウェアによる3D画像とそれを用いた解読作業についても続行した。上記のアルタバーン浮彫についての成果ともどもイランにおいて発表できるよう先方の研究者ならびにイラン国立博物館関係者とコンタクトを持ち、交渉中である。
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