2022 Fiscal Year Research-status Report
「フランク君主の勅令」としての「カピトゥラリア」概念形成過程の研究
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19K01047
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
津田 拓郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70568469)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カピトゥラリア / 勅令 / シャルルマーニュ / カール大帝 / 神話化 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年目に当たるこの年には、予定通り約6ヶ月間ケルンの「カピトゥラリア」新版刊行プロジェクトの本部において研究を行い、資料・文献収集を進めるとともに、プロジェクトメンバーと日常的に情報交換を行うことで、大きく研究を進めることができた。 具体的には、3度の研究報告を行うとともに、前年までに進めていた「カピトゥラリア」のアーカイヴに関する研究の成果をドイツ語論文として公表した。研究報告においては、前年までである程度結論が見えつつあった『法の書』関係の考察の結果、「カピトゥラリア」概念の成立過程全体に関する調査結果の概要、新たに発表された「カピトゥラリア」関係の研究動向に接続した「カピトゥラリア」を指称する同時代用語に関する分析結果を発表し、それぞれについて活発な議論が生まれた。 又、年度後半には、これらの成果を邦語・外国語の論文として公表するための準備作業を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの流行拡大の関係で延期されていたドイツでの資料調査を集中的に行う事ができ、専門家たちとも極めて活発な意見交換を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も予定通り「カピトゥラリア」が「フランク君主の勅令」と(誤って)みなされていく過程の研究を行っていく。海外における資料収集はほぼ完了済みであるため、最終年度は国内で分析結果のとりまとめ及び公表に注力していく。
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Causes of Carryover |
ユーロ高による在外研究費の高騰や予期せぬラップトップの故障・買い換えが原因で、一定の余裕を持って前倒し請求を行った結果、一部の金額が繰り越される形となった。前倒し請求時の計画に大きな変更はなく、余裕が生まれた分の金額は資料費用として利用することを予定している。
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