2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K01050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅岡 善治 東北大学, 文学研究科, 准教授 (80347046)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ソ連 / ソヴィエト / ロシア / ウクライナ / 農村 / 農民 / ネップ / 出版 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度秋に実施した初回の調査に続いて、今年度は6月と10月にウクライナ及びロシアでの実地調査を行う計画を立て、前者については日程が確定し、交通手段や宿泊施設の確保もいったん全て完了していたが、国内外におけるcovid-19の流行拡大、そして所属研究機関における「海外渡航中止要請」の発出によってキャンセルせざるを得ない事態となった。その後、基本的に状況は進展しておらず、本研究推進のための新規の史料発掘・追加作業は完全にストップしている。前年度は2-3月の最終段階で若干の研究計画の遅滞が生じたにとどまったが、今年度は、当初の計画が全く進まないだけでなく、年度末になってもその再開の目途すら全く立たない残念な状況が続いている。 一方、前年度ロシア史研究会大会で実施した自由論題報告:「ドゥイモフカ事件と農村党機構(1924-25年)――盛期ネップの地方スキャンダルの再検討」に基づいた論文:「ドゥイモフカ事件再考――盛期ネップの農村、末端機構、『ソヴィエト・ジャーナリズム』」の作成作業は順調に進み、5月に完成・投稿となり、無事査読を通過して、2021年1月刊行の『ロシア史研究』No.105に掲載された。2019年10-11月に実施したウクライナ国立中央行政・最高権力機関文書館(TsDAVO Ukraini)、ウクライナ国立中央公共団体文書館(TsDAGO Ukraini)、ウクライナ保安省文書部(GDA SBU)での史料調査の成果が追加的に反映されており、その直前に実施された元報告の論点が大幅にアップデートされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
そもそも本研究は、ウクライナ現地における史料調査の実施を根幹とするものであり、前述の通り本年度の渡航計画が全てキャンセル・延期となったため、新規の史料発掘・追加作業はストップしている。既に入手した史料の整理作業も、同様の事情で学生・院生アルバイトの雇用が難しくなり、大幅に遅延している。当初計画では2021年度が研究期間(補助事業期間)の最終年度となっていたが、現状では1年ないし2年の延長が必至の状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度末の時点ではワクチンの接種等、国内での積極的施策は進んでいるが、covid-19の流行そのものについてはいまだ終息の兆しは見えず、所属研究機関の「海外渡航中止要請」も継続中のため、ウクライナ・ロシアでの現地調査に基づく研究活動の再開が全く見通せない状況である。当面は先行研究の精査や既に入手済みの史料の整理・分析等、国内で継続可能な作業を進め、現地への渡航が可能になり次第、迅速かつ効率的に研究活動を進められるような態勢の構築に努めたい。
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Causes of Carryover |
2020年度はほぼ完全に新規の史料調査活動がストップしたため、当該年度の経費の使用は、『ロシア史研究』への論文投稿に際して添付した露文要旨の校正、同論文の抜き刷りの印刷、そして若干の新刊図書の購入についてのみで、前年度の残余額を合わせると研究第2年度の経費がほぼまるごと第3年度に繰り越されるという状況である。内外の情勢を慎重に見極めながら、研究期間(補助事業期間)の1年ないし2年の延長を見据えて、研究計画の抜本的な見直しを進めていく。
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Research Products
(1 results)