2020 Fiscal Year Research-status Report
第一次世界大戦から1930年代までのロシアにおける身体――労働・医療・モラル
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19K01051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 嘉郎 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80449420)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ロシア史 / ソ連史 / 医療 / 身体 / ナショナリズム / 帝国 / 第一次世界大戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍により、国外のアーカイヴを利用することができず、研究を十分に進めることができなかった。本科研にかかわる成果としては、Yoshiro Ikeda, "Time and the Comintern: Rethinking the Cultural Impact of the Russian Revolution on Japanese Intellectuals", Christopher Balme, Burcu Dogramaci, Christoph Hilgert, Riccardo Nicolosi, Andreas Renner (eds.): Culture and Legacy of the Russian Revolution: Rhetoric and Performance - Religious Semantics - Impact on Asia (Berlin: Frank and Timme: 2020), pp. 227-240, において、革命が起こった社会(ロシア)とそうでない社会(日本)における時間のとらえ方の相違について、知識人の営みに焦点を当てて探求した。また、学会報告として、池田嘉郎「第一次世界大戦期ロシアにおける保養地振興をめぐる政治」、第70回日本西洋史学会大会(大阪大学、オンライン)、2020年12月12日、9時45分~10時30分、を行なった。現在、この学会報告を論文として投稿するための準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、ロシアやアメリカ合衆国などにある文書館での史料調査を行なうことができなかった。もとより不意の事態が生じたときの対応も研究計画には織り込んであったが、全世界的な移動の禁止のような緊急事態は想定していなかった。当面の対応として、オンライン史料や、国内の図書館が所蔵する史料を最大限に活用することにより、学会報告の準備を進めることはできたが、研究計画と比べて遅れを完全に取り戻したとまではいうことができない。また、研究自体にかかわることとは別に、小学校の閉鎖により子供の世話に想定よりもはるかに多くの時間を割かねばならなくなった。また、大学の講義もオンライン化されたことにより、その準備にやはり多くのエネルギーを割くこととなった。これらの事情も、研究の進捗を遅らせる原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
国外への移動が可能になれば、できる限り早期にロシアあるいはアメリカ合衆国に史料調査のため出張する。他方、もし2021年度もそれが不可能である場合は、引き続きオンライン史料および国内所蔵の史料を最大限に活用する。それにより、研究計画の基本的な目標は達成できるようにする。
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