2019 Fiscal Year Research-status Report
18世紀前半カリブ海の英西間の商船拿捕問題に見る国際的海洋法秩序の構築過程の分析
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19K01057
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
薩摩 真介 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (70711125)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イギリス / 海軍 / 植民地 / 貿易 / スペイン / 政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度には、当初、2020年の3月後半から二週間ほどの予定で、イギリスの文書館(ロンドンの英国図書館やキューのイギリス国立公文書館など)での、ニューカスル文書やハードウィック文書、海軍省文書や植民地関係文書などの一次史料(手稿史料)の調査を予定していた。そのために航空券やホテルもあらかじめ手配していた。 しかし、2020年1月ごろから、まず中国で顕在化し、その後、ヨーロッパを含む全世界規模で徐々に深刻化していった新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大という想定外の事態に直面し、安全上の配慮から、イギリスへの史料調査のための渡航の中止を余儀なくされることとなった。 その結果、予定していたイギリスでの史料調査は、結局、2019年度中には実施することができなかった。そのため、今後は新型コロナウィルス感染症をめぐる国内外の状況の変化を注視しつつ、2020年度以降に、あらためてイギリスや、ジャマイカなどそのほかの国の文書館での史料調査を実施する予定である。 一方、その間にも、2019年度中には、国内において「ジェンキンズの耳」戦争や沿岸警備隊による拿捕問題といった、本課題で中心的に扱う問題の二次文献を用いての背景的知識の調査や、すでに以前に収集していた関連する一史料の整理や分析を、海外での史料調査に充てるはずであった時間を活かして、ある程度進めることができた。今後、こちらもさらに継続して進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大により、当初予定していた2020年3月のイギリスの文書館での一次史料の調査を中止せざるを得なかった。これは研究計画上、まったく想定していなかった事態であった。これにより史料収集の計画は部分的に変更せざるをえなくなった。一方、そのかわりに、それに充てるはずであった時間を活かして、国内で可能な二次文献の調査などを充実させることができた。当面はそちらを進めつつ、状況の変化を見ながら、来年度以降にまとめて国外の文書館での史料調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、2019年度から行っていた国内での二次文献を用いた背景的知識の調査や、すでに収集した史料の整理や分析を進めていく。また、新型コロナウィルス感染症を巡る国内外の状況の推移を慎重に見極めつつ、海外での史料調査が可能な状況と判断できるようになったら、元々2019年度に予定していたイギリスの文書館での史料調査や、2020年度以降に予定していたジャマイカの文書館などでの調査を実行に移す予定である。
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Causes of Carryover |
前述のように、2019年度は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大により、当初予定していた2020年3月のイギリスの文書館での一次史料の調査を中止せざるえなくなった。その際、事前に予約していたホテルは無料でキャンセルができ、ホテル代は全額返還された。しかし、航空券については、格安航空券を予約していたため、キャンセルができなかった。航空券分の費用17万3744円は、現在旅行会社に問い合わせ中ではあるが、今のところ返還されていない。ホテルのキャンセルによって戻ってきた今年度分の残額は、来年度分の額と併せて、来年度以降のイギリスなど海外での史料調査の費用に充当する予定である。
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