2021 Fiscal Year Research-status Report
18世紀前半カリブ海の英西間の商船拿捕問題に見る国際的海洋法秩序の構築過程の分析
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19K01057
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
薩摩 真介 立命館大学, 文学部, 准教授 (70711125)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イギリス / 海軍 / 植民地 / 貿易 / スペイン / 政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も、昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延により、研究計画の変更を余儀なくされた。新型コロナウィルス感染症の状況がある程度沈静化した場合に計画していた、イギリスの文書館(大英図書館、イギリス国立公文書館など)、あるいはフランスの外交文書館やジャマイカの公文書館といった海外の文書館における一次史料調査は、今年度もふたたび見送らざるを得なかった。そのかわりに今年度は、過去に収集していた関連する一次史料の整理や分析をさらに進め、くわえて本課題で中心的に扱う問題についての二次文献、特にイギリスの対スペイン領貿易関連の二次文献を読み進めることで研究テーマの背景的知識の調査も進めた。これらの調査結果を英語での学術論文としてまとめ、海外の査読誌へと投稿した。現在は、編集部よりその査読結果を待っている状態である。 また、今後もしばらくは文書館での一次史料調査のためのヨーロッパなどへの海外渡航、とくに複数回にわたる頻繁な海外渡航は困難であることが予想されるため、そのような海外での史料調査の代替措置として、18世紀のヨーロッパにおける戦時の海上での拿捕行為という自身の研究テーマに深い関わりのあるオンライン・データベース(オンライン一次史料集)であるPrize Papers Online2: Seven Years' War and War of the Austrian Successionを購入した。これにより、今後、研究に関わる史料の一部については、日本にいながらにして閲覧が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように、新型コロナウィルス感染症の蔓延により、イギリスなど海外での文書館での一次史料の調査をまたもや見送らざるを得なかった。現在は、徐々に渡航が可能になりつつあるが、コロナ以前のような、制約なくかつ頻繁に海外に渡航することが可能になるまでには、もう少し時間がかかることが予想される。そのため、当座は代替措置として、上述のオンライン史料集Prize Papers Online2に収録されている史料の分析や、以前入手した史料や二次文献を中心に調査・分析を進めることで今後の研究の継続を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
まず目下の優先事項としては、現在、海外の査読誌に投稿中の論文の査読結果が通知され次第、原稿の修正、あるいは別の雑誌への投稿の準備に取り掛かる予定である。この論文が何らかの形で刊行でき次第、これまで分析した史料を用いて、速やかに別の論文の構想、執筆に取り掛かりたい。またそれと並行して上述のオンライン史料集Prize Papers Online2に収録されている史料の閲覧と分析を進めていきたい。また、現在よりも海外渡航の実施が容易になった場合には、イギリスなど海外での文書館調査を再開することも視野に入れている。
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Causes of Carryover |
前述のように、2021年度も新型コロナウィルス感染症の蔓延により、イギリスやその他の国の文書館での一次史料調査を見送らざるをえなかったことから、代わりにオンライン史料集Prize Papers Online2を購入した。しかし、このオンライン史料集の価格が当初の想定より安価であったため、次年度使用額が生じることとなった。もし可能であれば、この残額を用いて2022年度中に一度はイギリスに短期間渡航して、大英図書館、国立公文書館などで追加の史料調査を行いたい。
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