2020 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between Paris and Provinces on the Museum Policy during the French Revolution - Distribution, Deposit and Delivery -
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19K01058
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| Research Institution | The University of Tokushima |
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Principal Investigator |
田中 佳 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (70586312)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | ルーヴル美術館 / フランス革命 / 地方美術館 / 文化財 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
（１）先行研究の把握と概要の整理：昨年度に引き続き、1801年のシャプタル令により開設が決定された地方美術館、およびパリに開設されたフランス記念物博物館、ヴェルサイユに開設されたフランス派専門美術館を調査対象に、二次文献による先行研究の把握を行った。
（２）データの整理：上記の政令によりパリから地方に分配された絵画作品群に関するデータの整理を行い、データベースの作成を進めた。分配作品リストは Clement de Ris, Les musees de province, 1859-1861 に採録されているが、これを基に、現在の美術館所蔵作品カタログやデータベースを用いて作品の照合を行い、作品情報をまとめる作業を継続している。作品によっては、今日ではルーヴル美術館に返還されたり、別の美術館に移管されているものもあり、場合によっては作家のアトリビューションに異同が生じていることもあるため、そうした情報を取りまとめている。
（３）展示内容と展示方法に関する研究：新たな視点として、絵画作品の展示内容と展示方法に関する問題に着手した。展示作品の選定が展示方法と不可分の関係にあることが分かってきたためである。ただし特に地方美術館に関しては開館時の展示方法を把握できる史料は限られているが、当時の展示室の様子を描いた版画の検索や、同時代資料や先行研究における言及の調査を行った。この過程で、当時の展示方法をめぐる論争の存在や、それに関連する国際関係の問題なども把握することができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、フランス等への調査旅行を実施することができなかった。このため、当初予定していた地方美術館に関するパリでの資料調査と現地での作品調査を断念せざるを得なかった。地方美術館が所蔵する作品に関しては、インターネット上に公開されている作品データベース等では十分な情報が得られないことが多く、コーパスの作成自体に限界があり、分析を進めることが困難であった。
一方で、フランス国立図書館（BNF）のインターネット上での資料公開が大幅に進み、現地に行かずして入手可能になった文献等もあった。それらの資料に助けられて、地方美術館の設立の経緯等について把握することができ、文字資料の整理を一定程度進めることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
現地調査が可能になり次第、パリの文書館や図書館での文献資料調査や地方美術館での作品実見調査を実施したい。しかしながら、先行きは不透明であるため、調査旅行が実施できない場合に備えておく必要もある。最も課題となるのは作品の実見調査であるが、これについては詳細な情報が必要になる作品をリストアップし、所蔵先美術館からの資料提供やデジタル画像の購入が可能かどうか調査を進めていきたい。
また、当初はシャプタル令により創設された15の地方美術館すべてを調査対象として、それらを総合的に考察するつもりでいたが、これが実現できない場合に備えて、個別の美術館の調査結果を公開していくことも視野に入れたい。まずは初年度に現地調査を行った地方美術館に関して、学術論文にまとめて成果を公表する準備に着手する。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、学会等の開催がすべてオンラインとなり、国内旅費を使用する機会がなかった。またフランスへの調査旅行も実施できなかったため、海外旅費も未使用となった。状況が改善次第、調査旅行を計画し、今年度予定していた地方美術館やパリでの資料調査と作品調査を行うための旅費に充てたい。また調査再開まで時間を要する可能性も鑑み、デジタル資料や作品画像の購入を大幅に増やすことも検討する。
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Research Products
(2 results)
