2023 Fiscal Year Annual Research Report
Protestant Agents of the Habsburg Monarchy
Project/Area Number |
19K01064
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
飯尾 唯紀 東海大学, 文化社会学部, 教授 (80431352)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ハプスブルク / 複合国家 / ハンガリー / 改革派教会 / 宗派取次 / 地域統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる2023年度には、これまで訪問できていなかった改革派のドナウ右岸管区文書館(パーパ市)とトランシルヴァニア管区文書館(グルジ=ナポカ市)で、ウィーン宮廷の宗派取次関連の書簡等を収集した。これにより、ハンガリー改革派教会のすべての文書館で体系的な調査が完了した。また、この過程で現地でも研究がない福音派の宗派取次についても史料を収集できた。18世紀後半までのウィーンの宗派取次の位置づけを分析するための主要な史料を通覧することができたと考えられる。 史料の整理・分析については、やや遅れてしまったものの、研究計画に沿った結果が得られつつある。具体的には、(1)宗派取次の形成期の人物誌(出資者との関係、キャリア、選出経緯)、(2)宗派取次制度設置をめぐる交渉過程(3)宗派取次をめぐるプロテスタント2宗派の協調体制の実態、(4)宗派取次のための予算捻出へ向けた諸地域の協調、(5)宗派取次設置を巡る宮廷側の思惑、などの諸点が解明されつつある。また、宗派取次は後の啓蒙専制君主の時代にも維持されており、宗教を通じた啓蒙期の統治について分析するための見通しを得ることもできた。 一方で、研究成果の発表については大幅に遅れてしまった。海外渡航のできなかった期間に史料収集が滞ってしまったこと、史料点数が当初の見通しより大量で分析に時間を要したことなどがその主な理由である。引き続き、成果公表へ向けて準備を進めていきたい。
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Research Products
(1 results)