2023 Fiscal Year Annual Research Report
ブルボン公とフランス国王とのコミュニケーションからみる中近世フランス国制の変遷
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19K01065
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
上田 耕造 明星大学, 教育学部, 教授 (10760621)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中近世フランス / フランソワ1世 / 諸侯 / 王権 / ブルボン公シャルル3世 / 遺言書 / シュザンヌ・ド・ブルボン / カール5世 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、2年間フランスでの史料調査を行うことができなかったが、研究期間を延長したこともあり、今年度ようやくフランスでの史料調査を行うことができた。2023年はパリとシャンベリーで史料調査を行い、ブルボン公シャルル3世に関連する史料などを閲覧、そして写真で撮影した。今回、入手した史料と2020年に渡仏し入手した史料とを合わせて、現在研究を進めている。 2022年5月に日本西洋史学会で、シュザンヌ・ド・ブルボン公の遺言書から、16世紀フランスにおけるブルボン公とフランス王とのコミュニケーションを読み解く研究報告を行ったが、現在はその学会発表をもとに研究を進め、論文執筆に努めている。2023年の渡仏により、研究進展のために必要であった資料を入手することができたため、現在、それとシュザンヌの遺言書とを掛け合わせて、16世紀初頭のフランスおけるブルボン公とフランス王とのコミュニケーションの詳細を明らかにする研究を進めている。研究成果は近々、論文として発表する予定である。 研究期間全体を通した研究成果に関しては、新型コロナウイルス蔓延の影響を受けて、計画通り研究を進めることができなかった点もあったが、研究期間を延長することで、ある程度、フランスでの史料調査を行うことができたし、その調査結果を踏まえた研究報告も、日本西洋史学会で行うことができた。研究課題としたブルボン公とフランス王とのコミュニケーションの実態把握とその重要性の提示に関しても、5年間という研究期間を通じて、ある程度明かにすることができたと考えている。
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