2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K01076
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
辻本 諭 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50706934)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軍事啓蒙 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究プロジェクトの初年度にあたる。提出した研究計画に沿って長い18世紀のイギリスにおける軍事啓蒙を形成した要素のうち、軍事技術・理論の側面について研究を行った。 まず、軍事解説書については「18世紀出版物オンラインデータベース(ECCO)」をもとに著作数が多く影響力の大きな著者としてトマス・サイムズ(生没年不明)とヘンリ・ロイド(c.1718-83)など)を取り上げ、それぞれの著作を収集し内容を分析した。また前者については4つの著作に予約購読者リストが付されているため、そこに記録されている個人・団体について集計し、サイムズを取り巻く知識伝達のネットワークについても考察した。 次に、ウーリジ士官学校における教育内容や人的ネットワークを分析するために、同学校の規則集および当学校の公文書をまとめた資料集(Records of the Military Academy, 1741-1892, Woolwich, 1892)を読み込み、その内容について分析を進めた。 以上の成果の一部は、Satoshi Tsujimoto, 'Military history from a wider perspective: recent scholarship on the British army and society in the long eighteenth century', 『東洋大学人間科学総合研究所紀要』22号、2019年10月、63~75頁において発表した。 一方、当初計画していたイギリスでの史料調査については、2019年秋に台風のため、2020年春に新型コロナウィルス感染症のため行うことができず、次年度以降に延期することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年秋の台風および2020年春の新型コロナウィルス感染症の影響により、予定していたイギリスでの史料調査を延期せざるを得なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の影響がいつまで続くのか予測がつかないため、延期した史料調査をいつ行うことができるか見通せない状況である。ただ、次年度は海外での史料調査を予定していないため、海外渡航が可能になれば比較的柔軟に対応できると考えられる。もし2年目も海外渡航が難しい場合には、3年目の史料調査の期間を長くして必要な調査を行うことも考えている。いずれにせよ、国内で可能な調査をできる限り前倒しで行っていくつもりである。
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Causes of Carryover |
初年度の研究計画では、イギリスでの史料調査を予定していたが、2019年秋に台風のため、2020年春に新型コロナウィルス感染症のため行うことができず、次年度以降に延期せざるを得なくなったために、次年度使用額が生じることとなった。 次年度に持ち越した分の助成金については、次年度(ないしそれ以降)に国内外の移動が自由になり次第、初年度に予定していたイギリスでの史料調査を行う際の旅費として使用する。
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